☆ヨークの問題 (1999年代の記事より)
かなり以前からこのサイトで問題を提起しているのですが、ヨーク部の調整の勘違いでリムやハンドルを破損してしまった実例が多く報告されています。
ヨーク部の過剰調整をしてから3週間程度でリム(1枚リム)が上下とも縦方向のクラックが発生した例があります。クラックがリムの根元のテーパー部まで達していました。
おそらくもう少しシュートしていれば、リムが剥離したか折損していたと思います。
ケガをしなかっただけ運が良かったケースといえます。
ヨーク部を過剰調整した結果、スプリットタイプカーボナイトリムの右上が剥離した例(短い期間に同じ地区で3件たてつづけに発生したようです)。
ヨーク部を過剰調整しかつリムボルトを緩めていたために、スプリットリムの片側が抜けかかってしまった例。
横振動が増加してしまった結果、スコープのレベル部分が横方向に飛び出してしまった例。
おそらく、これが原因でハンドルが破損したり、リムにたてクラックが入ってしまった例などが情報として手元にきています。
(同一人物が異なるメーカーのモデルで同様のトラブルを立て続けに発生させているところから、メーカーの設計ミスや商品の欠陥ではないと思います)
くどいようですが、ヨークによってホイールのチルト(傾き)を補正するのであれば、フルドローイング状態で上下ホイールが垂直になるように慎重に調整するべきです。
(このあたりの問題は、HOYTの社長のランディ・ウォークに技術的な確認をしてあります)
下図はアーチャー側から見たホイールのチルトのプロセスです。
簡単に描いてありますが、実際にはホイールの偏心の関係で現象はもっと露骨に表れるはずです。

ファクトリーセットの場合、リムはピークウェイト時を中心に左右にほぼ均等に近い状態でねじられるのですが、ヨークの過剰セットの場合、リムは右側部分だけがかなりねじられます。
これが、リムのたてクラックや、剥離の原因となるうえ、戻り方の関係で右から左へボクシングのフックのような衝撃を発生させます。
尚、アップル社(コンピュータではなく、アーチェリーのメーカー)が、レーザービームを使った補正用ジグ(Laser Axel
Alignment Tool)をAMOショーで発表していました。
さて、以上のチルトの原因はストリングとケーブルのセット位置のギャップとケーブルガイドの存在にあるのですが、これをきらってケーブルガイドレスのスプリットケーブルシステムに変更するアーチャーも多いようです。
このシステムは理論上は素晴らしいシステムなのですが欠点もあります。
アーチャーのリリース技術が未熟だとケーブルが暴れて振動が増加してしまいます。
また、筈こぼれした時のアローの動作も予測がつかない怖さもあります。
ケーブルガイドの存在は欠点もあるのですが、同時にケーブルの暴れを押え込むダンプ効果も併せ持つのです。
単純にどちらがいいというものではありません。
暴れが消えない結果、スタビライザーの根元が折損してしまったケースもあります。