コンパウンドボウのストリングおよびケーブルの寿命について


当ショップで取り扱っているPSEのコンパウンドボウに組み込まれている純正のストリングおよびケーブル類の寿命は5,000射です。
   
( http://www.pse-archery.com/img/media/07_pse_ownersguide.pdf  14ページをご参照ください)

メーカーのユーザーガイドに記載してある5,000射または12か月のうち、12か月とは絶対的矢数が少ない3D競技やハンティングでの適用と考えてください。

FITA競技のように短時間に数多いシュートを繰り返すような環境では5,000射が限度です。
実際には、雨天や炎天下での使用も考えられますので賞味期限としては3,000~3,500射程度と考えてください。

PSEのコンパウンドボウはストリングはファーストフライト素材、ケーブル類はベクトラン混紡の450Plusになっています。
自作のストリングやケーブル類(市販品でも)で素材の異なるものを装着された場合、メーカー設計の性能が発揮できない可能性がありますのでご留意ください。

純正品以外のストリング/ケーブルを使用した時点で自己責任(メーカー保証の対象外)となります。

当ショップで、スペシャルモデルとして純正品以外のパーツを装着した場合には当ショップ保証に切り替わりますのでご了承ください。

コンパウンドボウのポンド設定について

 
最近、コンパウンドボウのポンド設定でのご相談を多くお受けしますが、もっとも多いのがポンドダウンに関するご質問です。
たとえば、60ポンドを購入しておいてしばらく50#で練習しておいて体力がついてから60#までアップしたいという趣旨のご注文や質問が多いようです。

物理的にはリムボルトを緩めれば8#程度までは下げることは可能ですが、弓の性能の面ではロスが非常に多くなります。

雑誌記事やショップによっては15ポンドまで緩めても大丈夫と説明している無責任なところもありますが、弓のパフォーマンスは大幅に低下します。

リムボルトを緩めることによって、同時にケーブルのテンションも減少してゆく結果、振動が大きくなりハンドルライザーやアクセサリーパーツの劣化や緩み・破損を生じやすくなります。
またホイールのドライブタイミングに遅延が生じるためストリングにうねりを生じるためパフォーマンスは大きく劣化します。

極端な場合には、ストリングのカムトラックからの脱落も発生します。

2インチ以上のクリアランスがあるにもかかわらずピープサイトがケーブルにヒットしている痕跡が見受けられるような場合には、リムテンションの不足が考えられます。

この理由で当ショップでは、マイナス5#以上のポンド調整はお断りしています。

例えば、60#のセットでは55#が、50#では45#が許容される限界と考えるからです。
当ショップの推奨範囲はマイナス2-3ポンドです。

使っているうちに震動が大きくなってきた時の対策について

使い込んでいるうちに、振動や発射音が大きくなったと感じられる場合には下記要領で調整すれば解消されます。
ボウプレスをお持ちの方は下記要領にて調整されることをお勧めします。

 尚、ご希望がある場合にはご購入後半年以内であれば無償にて再調整いたします。
 (当ショップでご購入のセットに限ります)

☆ワンカムモデルの場合

シュートを繰り返してゆくうちにストリング/ケーブルが伸びてゆく結果、ヨークケーブルのテンションがかなり高くなってゆきます。これを緩和するためにはストリング/ケーブルを巻き上げてテンションをあげてやるかヨークケーブルを巻き戻して両者のテンションがほぼ等価にすると振動が消え、発射音も静かになります。

☆ハイブリットカム(1.5カム)の場合

こちらは構造上ヨークケーブルにかかるストレスが大きいため、ヨークケーブルが伸びてしまいテンションが不足する結果、カムのシンクロにずれが生じ振動が生じやすくなります。
フルドローの状態で、プーリー(アッパー側)のガイドとカム(ロアー側)のストッパーの位置が一致しなくなっているのが目視で確認できるはずです。
多くの場合、ヨークケーブルを巻き上げてテンションを強くすると解消されますので調整をしてみてください。
                     (ストリングやケーブルの素材や使用よっては逆のパターンもあり得ます)
また、ある程度使い込んでいるうちにバスケーブルが伸びきり、今度はコントロールケーブルが伸びてきてカムのシンクロが狂ってきますので再度調整が必要になります。

詳しくはこちらをご参照ください。

☆2カムモデルの場合

2カムの場合、上下のカムはシンメトリー(対称)になっているはずです。
震動が大きくなる原因の多くは、本来等価でなくてはならない2本のケーブルの長さが使い込むことによりずれを生じるため、カムの角度がシンクロ(全く同じ動作をする)しなくなっていることにあります。
フルドロー時に上下のカムの角度がまったく同じになるように調整してください。

注  意

 ケーブルを巻き上げると、ブレースハイトが上がる結果ポンド数が若干ですが上昇します。
 特に2カムモデルでは同時にストリングのカムへの巻きつき量が増加するためドローレングスも長く
 なりますのでストリングも多少巻き上げて調整する必要があります。
 (巻き戻しの場合には逆の動作をします。)

上記調整はリムボルトがある程度締めこまれていることを前提としています。
リムボルトがルーズな状態(当ショップの推奨値以下)の状態ではカムをドライブするためのケーブルテンションが不足するため、カムの起動タイミングが遅くなる結果ヨークケーブルとコントロールケーブルの動作に差動を生じやすくなるため震動は解消されにくくなります。

 

Hybridカム(1.5カム)のトラブルについて

ドローイング中にケーブルやストリングがガイドトラックより外れてしまうトラブルに関し、ご相談を受けることが数点ありましたので原因と対策を提示いたします。

☆モジュールとストッパーホールの不適合

メーカーの指定ではカムのモジュール番号とストッパーの取り付けホールの番号を必ず統一するようにマニュアルに記載があります。
もし、これを組みちがえた場合には(特にストッパーを短いホールにセットしてしまった場合)ヨークケーブルに過剰なテンションが与えられ、同時にケーブルガイドのオフセットテンションが複合する結果ケーブルがストッパーから外れてしまうことが確認されました。

ヨークケーブルがストッパーより外れてしまうと、カムに過剰で不自然なチルトが発生するためコントロールケーブルがガイドから外れてしまったり、ストリングがカムのガイドトラックから外れてしまう現象がおこります。

☆ウォールを超えた過剰なドローイング

モジュールナンバーとホール位置が適合していても、(特にリカーブボウから転向されたアーチゃーに見受けられる現象なのですが)ウォールを超えたドローを無理に行うと上記と同様の現象が発生することがドローイングマシーンでのテストにより確認されています。


写真1の状態が限界点です。
2の状態を超えたドローを行うと矢印の部分でヨークケーブルが外れてしまうためカムが外れ方向に引っ張られるためチルトが発生しコントロールケーブルが外れやすくなります。
アーチャーのドローイングの状態によってはストリングがカムのトラック溝から外れてしまう可能性もあります。
  

対   策

☆モジュールナンバーとホール番号は必ず一致させる。

ストリングポジションによるドローレングスの増減を行ってもこの位置は絶対に変更しないでください。

☆ウォールにケーブルが当たったら、それ以上強く引き込まない。

ウォールを超えた過剰なテンションはケーブルやストリングのトラック外れの原因となります。

☆フルドロー時にアンカーを強く押しつけない。

レットオフにより、ストリングのテンションが70%近く下がっているため、ストリングは捩じれやすくなっています。そのままの状態で引き戻したりするとストリングがトラックから外れることがあります。

特に引き戻しの場合には、ストリングにひねりを入れないように細心の注意が必要です。

☆ケーブルガイドのオフセットはヴェインがケーブルにヒットしないぎりぎりまで近づける。

ケーブルガイドを必要以上にオフセットすると、ケーブルに横方向の力が加わるためストッパーやガイドから外れやすくなるばかりでなく、カムに余計なチルトを与えます。その結果カムの首振り現象などを引き起こすためアローの方向性が阻害されるばかりではなく矢速にも影響を与えます。

☆過剰なヨーク調整はしない。

雑誌や一部のグループで説明されているような、ブレースハイトポジションでのカムの直立調整はリムやライザーの破損、ケーブル/ストリングのトラック外れの原因となります。
推奨位置はフルドローでカムが垂直になるようなヨークバランスです。
ヨークの調整量は、アーチャーのドローレングスで異なります。

 

2008.4.27