アーチェリーラボ01
 

Genesis Pro プロジェクト

 

最近USAのビギナースクールで使用されているらしいGenesisボウをテストしてみようと思いつきました。

このボウ、私のところでも取り扱っているGenesisが設計しSure-Locが販売しているノーレットオフ、ノードローリミット(ただし31インチまで)15ポンドというユニークなワンカムです。

ビギナーおよびKid向けであるGenesisのほかにドローストップを組み込んだGenesis Proの2種類があり今回は後者をサンプル入荷しテストしてみることにしました。

昨年痛めた右ひじはほぼ治ったようなのですが、先日野良犬に咬まれた左手のひじが痛み始めました。最終的には、AccuriserUをマイボウとして常用するつもりなのですが、ひじのコンディションが衝撃に耐えるかどうか不安です。しばらく、このセットをリハビリトレーニングを兼ねて使用してみるつもりでいます。

このセットでシュートするのは18m 30m そして可能であれば50mにも挑戦してみたいと考えています。

 

 

ボウセクション

 

ボウレングス

 

36インチ

 

ブレースハイト

 

7.1/2インチ

 

ストリング

 

94.1/2インチ

 

パワーケーブル

 

37.1/4インチ

 

ピークウェイト

 

15ポンドから25ポンド

 

ドローレングス

 

18.5インチから30インチ

 

サイト

 

Sure-Loc FITA ExtremeLH

 

ピープ

 

Genesis アジャスタブルピープ

 

レスト

 

ゴールデンキープレミア LH

 + カーボンスプレームレスト

 

サイトほかのアクセサリーはボウの価格から考えるとオーバースペックなのかも知れませんが、今回はテストということで・・・

アローセクション

 

シャフト

 

EASTON Vector1050 27"

 

ポイント

 

90グレインポイント

 

ヴェイン

 

Duravane 3D 1.8" 右ヘリカル

 

ノック

 

 ピンノック L

 

スパインはArcher's Advantageのアローセレクションにドローデータを入力して選択しました。シミュレート上のスペックは計算初速約181Km/h。これは後で実測してみるつもりでいます。

スパインが1000番台のシャフトならどれでも使えるはずですが、最も軽量でF.O.Cも大きく取れ、しかも口径が細いVectorを選択しました。(2005年から廃版のようで残念です)

Accuriserへの移行トレーニングを考慮してピークは18ポンドで設定する予定です。ポイントは70グレイン辺りが適正値のようですが、とりあえず90グレインからテストしてみることにしました。

 

レットオフがないためシミュレーターには直接データ入力をしました。

ユニークな fx曲線が確認できます。

 

上記のfx特性を元に蓄積エネルギー量が計算できます。シャフトセレクターセクションで選択した結果がこの図です。

2004.12.19

 

インドア仕様の落とし穴

この時期になるとインドアにターゲットを絞り、シャフトを太目のアルミに変更するアーチャーが多いのですが、大きな落とし穴があるのに気づいていないことが多いようです。

単純に、太いアローの方が所謂「喰い面積が大きい」と思い込み、太目のアルミシャフトを購入して練習を開始するのですが、アウトドアのカーボン仕様のままでシュートするアーチャーが結構多いようです。

もし、そのままでシュートすると上図のような状態でシュートすることになりレストアップの発生率が多くなり非常に危険です。

もう、お分かりのことと思いますが、シャフトの太さが変わったときにはレストアームの位置も変えてやる必要があります。太いシャフトを使用するのであればレストアームはプランジャーヘッドのセンターがシャフトの中心を押してやる位置まで下げてやらなくてはなりません。

つまり、、アームの上下が調整できないレストの場合には、使用するシャフトの径に合わせてレストを交換する必要があるということなのです。

ここでは、上下位置だけ図にしましたがシャフト径の変化に合わせて、アローの横方向の設置角度(アローアラインメント)やノッキングポイントの高さ、プランジャーのスプリングテンションも当然再調整が必要になります。

もし、この時期アウトドアとインドアの練習を併行して行いたいのなら、最低でもアームの高さが調整可能なレストと、プランジャー2本とストリングを2本それぞれアウト用とインドア用が必要です。ここまでくると、リムはともかく、インドア用とアウトドア用のライザーを用意したほうが簡単かもしれませんが・・・・・

もし、本当にハイスコアを望むなら1本のセットでオールマイティということはありえないと思います。

2004.11.8


 

アローシャフトのクリーニング装置のテスト

アローを作成するときに、シャフトのパイプの中のクリーニングには結構苦労させられてきました。

メーカー出荷そのままだと、剥離剤とカーボンのカットくず(粉末)がパイプの中に残っているのでそのままポイントやピンノックを取り付けるとうまく接着できません。

いままでは、シャフトをカットした後にホースの散水ヘッドのジェット噴流で内部に水をそそぎこんだあと乾燥させ、その後にポイントとヴェインの接着エリアをトリクロロエチレンを入れた容器の中でデッピング、その後綿棒と金属棒でパイプ内をクリーニングしていました。

ここまでの、作業だけでも結構手間がかかりますし、加工するアローが多いときなどは大変です。

そこで少しでも手間を省く工夫をすることにしました。

カットの後、ジェット噴流でラフにパイプ内のゴミ等を洗い流した後、下記のような装置に入れて一晩程度流水洗浄をするものです。

構成は、アイリスオーヤマで入手したミニバン用の「サブトランクボックス」(115p長・3,000円弱)と「カミハタRio90」(1,650円)という熱帯魚用の汎用小型水中ポンプです。

トランクボックスを斜めにして、水を張りカット済みのシャフトを漬け、ポンプを利用して矢印の方向から水流をパイプに当てるようにします。これで一晩も放置しておけばかなりきれいになるのではと期待しています。

今回は、テストということで5.0リットル/分というポンプを利用しましたがもっと強力なものを使うことも可能だと思います。

2004.11.1

 

ストリング/サイト位置について

 

よその掲示板で、質問があったストリング/サイト位置の問題について図示します。

aは日本人に多いタイプでサイトピンをストリングの右においてエイミングするパターンです。bはサイトピンとストリングを重ねた場合、cはサイトピンを左においた場合を示しています。

青い線はストリング、黒の矢印はアローの方向と考えてください。

右利きの場合

a:アローは右を向いています。

b:アローはチューニングのアローアラインメントの方向を向いています。

c:アローは左を向いています。

左利きの場合

a:アローは左を向いています。

b:アローはチューニングのアローアラインメントの方向を向いています。

c:アローは右を向いています。

当然矢印が向いている方向にアローは飛んでゆこうとのですが、もし、この分をプランジャーのスプリングテンションだけで補正しようとすると、左右を問わずaの場合にはテンションを強く、cの場合には柔らかくしなければなりません。

良く、プランジャーの固さの理想について質問されるのですがaのタイプのアーチャーは固く、Cの場合には柔らかなりやすいのは当然です。

ここで、誤解のないように説明しておきますが、私はグルーピングの左右の調整をプランジャーのスプリングテンションですることを薦めているのではありません。

プランジャーは左右のヒット位置を調整する道具ではなく、パラドックスの発生量を変化させて、グルーピングをコントロールするためのツールと考えています。

プランジャーのスプリングテンションはヒット位置の左右にかかわらず最もグルーピングがタイトになる位置をベストと考えています。もし、その位置が右か左にずれているならサイトピンの左右で調整すれば良いと考えています。

2004.9.19

この記事は資料性が高いのでTOPページの独り言より移植しました。


続々・ドローイングマシーンの改造(タイプ2)

 

基本使用荷重が1.6tあるので強度としては充分です。

 

コンパウンドボウのホールド用に重量物吊りベルト用のスリングベルト(両端アイタイプ)を入手しました。

近所にあるプロ用の工具店で購入したものですが50mm幅×1.0m長のものです。長さはもっと短くてもよいのですが、1.0mが既製品では最も短いようです。

私の行った店には50mmのものしかおいてなかったのでしかたなくこれを購入してきましたが、幅は25mm程度のものからあるようです。(幅がせまいほうが価格が安い)

 

2004.8.29

 

・ドローイングマシーンの改造(タイプ2)

 

手配していた脚の材料が届いたので早速改造を試みました。

ジグを縦にして使用するため脚を作成し装着する。そのため、チャネル材の端に取り付けてあったウィンチの位置をずらす。

手配してあった脚の材料はこちらから入手しました。

本来は重量物棚受金具で4ミリ厚のスチール製、その上耐荷重が60Kgもあるし、アームの長さも35p あるので2mのチャネル材を支えるには充分だと思います。

CPの場合には、ピボットではなくライザーの上下にロープをかける。ロープはリングキャッチを利用してヨークテンションにする。

写真のようにヨーク方式でライザーを引っ張るようにしましたが、まだ不安定です。

ストリングのフック位置をずらしてしまえばバランスは取れるのですが、それではシビアな調整ができなくなってしまいます。特に、コンパウンドボウの場合は、ロアーピボット設計とタイドループの関係でアンバランスがひどくなってしまいます。

とりあえずロープをやめて平ベルトにしたほうがよいかも知れません。

考えてみるとCPボウはこの不安定な状況でとローイングしているのです。グリップのサポートの重要性があらためてクローズアップされてきたともいえるのではないでしょうか?

 

さて、新たな問題点が発生しました。

脚を取り付けるためにウィンチの位置をずらしたために、スケールを取り付けると24インチ程度までしかドローイングできなくなりました。チャネル材をもっと長いものにすれば解決するでしょうが、扱いにくくなるし、入手も困難です。

そこで、しばらくの間は妥協することにしました。

◎ポンド計測の際には、ウィンチを使わずに手引きにする。

◎リムバランスやカムのタイミング調整にはスケールを取り外す。

2004.8.20

 

ドローイングマシーンの改造(タイプ2)

 

プロトタイプを作成してみて、いくつかの欠点や使いにくさに気がつきました。以下に問題点と対策をピックアップしてみました。

問 題 点

対    策

 

ジグを横にして使おうと思ったのですが、チャネル材にこすってしまいライザーに傷がつく恐れがあります。

 

ジグを縦にして使用するため脚を作成し装着する。そのため、チャネル材の端に取り付けてあったウィンチの位置をずらす。

 

リカーブボウではそれほど気にならないのですが、CPの場合ロアーピボットのためライザーセンターで引っ張れずアンバランスになりやすいのです。

 

CPの場合には、ピボットではなくライザーの上下にロープをかける。ロープはリングキャッチを利用してヨークテンションにする。

 

 

左図は完成予想図です。脚材料として重量物用棚受(耐荷重60Kg)をネットで発見したのでこれをボルトナットでチャネル材に取り付ける予定でいます。

 

 

ライザーは下図のようにサポートします。リカーブボウの場合にも、この方法を取ったほうが安全かも知れません。

 

 

 

ドローイングマシーンの作成(タイプ2)

 

最近、リカーブボウのリムバランスのチェックを依頼されることが多く、手持ちのHooter Shooterを使ってチェック・調整しているのですが、誰でも入手できるものではないうえコストもかなりかかるので、簡易型(タイプ2)を作成してみました。

タイプ1はこちらを参照してください。

Hooter Shooter

材料は以前購入した2メートルのアルミのチャネル材、手持ちのポンドスケール、ネット販売で購入したハンドウィンチ、アイボルト、リングキャッチ、ロープなどです。

ボウスケールはリムバランスを確認するだけであれば必要はないと思います。むしろないほうが使いやすいと思いますが、私の場合にはFX曲線のデータを取りたいためジグに組み込みました。

 

 

使い方は、簡単でストリングをボウスケールのフックに引っ掛け、ウィンチから出ているロープの先についているリングキャッチとループにしたロープを使ってライザーのグリップを引っ張るだけです。

コンパウンドボウであればバレーの位置まで引っ張ってホイールのシンクロを確認します。

リカーブボウの場合には、ストリング糸と輪ゴムで作ったチェックワイヤーをチップ間に張っておきメジャーで上下ティラーを確認します。ある程度ドローを開始した位置からフルドローまで の数ポイントが0ティラーになるようにリムボルトで調整してください。

ドローの途中でティラーが変動するようであればリムがへたっているか、リムセット角度がメーカーの設計値より寝ている可能性が大きいと思います。

こちらは,ネット販売で入手したハンドウィンチ(T903Z)。小型船舶の引き上げ用らしく最大負荷400Kgで、正、逆回転2方向ラチェットロックになっています。
従って、フリーストップにはならずクリックストップなのですが、実用上問題はなさそうです。

入手先はこちらです。

ロープはテトロン中芯入りの3ミリロープを使用しました。

アイボルトはロープが横走りするのを制御する目的で中間にセットしました。

チェックワイヤー

 

リカーブボウのリムバランスチェックの場合には、左図のようなパーツ(チェックワイヤー)を作り、上下のリムチップの間に張ります。

糸は何でもよいのですがあまり太いものだと重量の影響もでやすいと思います。私の場合にはファーストフライトのサービング糸を使用しています。

a:インチメジャー

b:チェックワイヤー

c:上ティラー

d:下ティラー

リカーブボウの場合には、右図のようにしてティラーを計測します。

ブレースハイトより少し引いた状態からフルドローまで計測してどの位置でも c=d であれば理想的です。

)

 

(注 意)

どのようなタイプのドローイングマシーンを自作される場合でも、ドローレングスの確認の目的で、アローをストリングにつがえることは厳禁です。

私の場合には、下の写真のソフトタイプのインチメジャー(これもネット販売で購入)をクリップ でストリングに装着して計測するようにしています。

この記事をご覧になって、類似ジグを作成された結果、事故が発生しても責任を負いかねますのでご了承ください

私の場合には、すべての部品の耐荷重を確認してから組み立てています。例えば、ボウスケールを取り付けているアイボルトは使用荷重50KgのM6のものを選択して使用しています。

 

ネットで購入した60インチのソフトメジャー(インチ/ミリ両用)

コスト(ネット販売の場合の概算)

アルミチャネル材 4,000 円前後*

ウィンチ        5,292 円

インチメジャー          315 円

アイボルト (M6)         421 円

リングキャッチ      530 円

*数年前にハンズで購入したときの価格

 

2004.8.12

 

 

ヨーク用ストリングジグ

 

古いタイプのCP(HOYTスペクトラ)のストリングとケーブルの交換を依頼されました。

以前も頼まれて、純正パーツを利用してノンヨークシステムをヨークスタイルに改造して合ったのですが、これらのパーツ供給はすでに停止されてしまっているので自作する必要があります。

ストリングは丁度手持ちに合った「Zebraストリング」が使用できそうなのでこちらを使用することにしましたが、問題はケーブルです。

手持ちのストリングジグでは40インチ以下のストリングやケーブルは作成できません。ましてや12インチのヨークなどは・・・・・

今回必要なのは12インチのソフトヨーク(HOYTの旧モデルで現行のものは16インチ)と39インチのケーブルです。ケーブルは、手持ちのワイヤーとターンバックルでなんとか作成しましたが、問題はヨークです。

そこで、簡易タイプのヨーク専用ジグを作ってみました。

ベニヤ合板に、6mmの孔を開けボルトとナットを使いポールを4本立てただけのものです。

長方形の長尺は8インチ、短尺は4インチありますので合計24インチ、ケーブルにすると丁度12インチになります。

*右手のポールの横のボルトは14インチケーブル用です。

 

 

このジクではループ部分のみを作成し、合わせ仕上げはストリングジグに写真のワイヤーとターンバックルを組み合わせて行います。

なんとか、これでヨークは完成させることができたのですが、作業効率としてはもう一つです。

そこで、アルミの角棒とチャネル材を手配してヨーク専用のミニ・ストリングジグを作成してみることにしました。

現在、材料手配中なので完成してから再びレポートをアップします。

2004.7.28

 

フレッチャーのチューニング

 

依頼を受けてヘリカル用のフレッチャーを作成することになりました。

材料はビッツェンバーガーのストレートフレッチャーです。このフレッチャーは良くできているのですが、ハンティング・アルミシャフト用に設計されているのでそのままでは口径の細いカーボンアローにヴェインを貼ろうとすると、きれいに120度間隔になりません。

以下に私流のチューニング方法を記載します。

まず、クランプのブレードの部分(左図の黄色の矢印の部分)のバリを砥石を使って取り除き「面だし」をします。

メーカー出荷のままだとバリが多くでこぼこしているので精度が期待できません。

 

次に、クランプの裏側の鉄部分(右図の四角で囲まれた部分)を1000番の水ペーパーで矢印の方向に磨きます。

これは、ヴェインをシャフトに押し付ける動作をスムーズにするための加工です。この動作がギクシャクしていると、ヴェインとシャフトをうまく圧着できません。

この後、フレッチャー本体のマグネットに吸着させ擦りあわせを行ってください。

 

 

レシーバーのセンターとシャフトのセンターを合わせます。ビッツェンバーガーは前述の通りアルミアロー(おそらく2216)を標準としているので、シャフトを受けるXカットが深すぎます。そこで、テープ等使って高さ調整をしてやる必要があります。

まず、フレッチャーのレシーバーのクリックをルーズにします。その上で自分が使用するアローシャフト(できればノーカットのフルレングスのもの)をセットし、レシーバーを回転させてみます。

 

メーカー出荷のままだと、シャフトの先端がぶれて回転するのに気が付くと思います。

この状態ではレシーバーのセンターとシャフトのセンターがずれているためヴェインがきれいに120度になりません。そこで、シャフトの先端がぶれなくなるまで、Vカットの深さを調整します。

 

私の場合には、3Mのガラスクロステープを使用し、厚さをいろいろと試しながら調整しています。

このテープはグラスファイバーの布をテープにしてあるので、へこみも出ず、ある程度すべりも良いのでVカットの受け部分には最適です。

 

最後に、実際にヴェインを仮貼りしながら希望するピッチをフレッチャーのダイヤルを利用して調整します。

ここまでの調整が完了したにもかかわらず、フレッチングがきれいに120度間隔にならないことがあります。

 

 

それは、レシーバーのクリック部分の精度による場合がほとんどです。その場合には、レシーバーパーツを交換する必要があるかも知れません。

最近のビッツェンバーガーのフレッチャーはまともなものが多くなりましたが、ある時期のロットはいい加減なものが多く見受けられました。

 

今回はACCの00系・左ピッチヘリカルが目標なので調整した結果、左図のようなダイヤル位置になりました。

すでにお気づきのことと思いますが、使用するシャフトの外径が変わるたびにVカット の調整をする必要があります。

そうしないと、正確な120度のフレッチングは実現できません。

1台でオールマイティというフレッチャーは存在しないと考えたほうが良いと思います。私の場合には、プロセレクトの210用・196用・188用・180用・ACE/ACC用(00-04系)・188ヘリカル用の専用フレッチャーをそれぞれ用意してあります。

 

 

 

下図は実際に完成フレッチングしたものです。

2003.5.8

 

チューニングツールの作成

 

ボウセットアップ用のチューニングツールとしては、Jim-Dandyのスーパーベンチ(製造中止)を所有しています。

大変よくできているのですが、少々かさばるのが欠点です。そこで、持ち歩き可能な簡易型のものを作成しようと考えています。

スーパーベンチの構造は左図のようになっており、ボウの初期セットアップおよびアップ/ダウン時の調整も可能になっています。

今回は、ここまで複雑なものではなく左図の赤丸の部分のみ抽出したものを作成しようと考えています。

 

使い方

☆プレートをバイス等で机等に固定し右下図のようなパーツをハンドルライザーのスタビライザーブッシュにセットし、15φのホール部分に取り付けます。

☆水準器をストリングに当てて、ストリングが地面に垂直になるようにハンドルライザーを固定します。

☆水準器をサイトバーに当てて、サイトバーが地面と垂直になるように調整します。

(ストリングとサイトバーが平行になっているはずです)

☆コンパウンドボウの場合には、スコープの水準器の泡がセンターに来るようにサイトブロックの傾きを調整します。

ここまで、調整できたらサイト、レスト等のセンターショットラインをそれぞれの弓のタイプにしたがって調整します。

 

プレート材料は未定ですがPE樹脂を考えてます。

上図のパーツは、スーパーベンチの純正のものですが、Mロッドのようなエクステンションロッドも流用できると思います。

ただし、プレートのホールもそれにあわせて大きさを加工する必要があるかも知れません。

私は、現在旋盤のレッスンを兼ねて15φの丸棒を削りだしたパーツを真鍮で作成中です。

 

私はハンズで見つけたこのような水準器を使用しています。

フィストメールゲージに水準器を組み込んだJim-Dandyのスーパーツールも存在しており市場にまだ出回っているようですが、初期の出荷ロットは精度が出ていたものの、後期の物は精度がいい加減なものも見受けられました。

2003.3.18

 

ホイールの調整について

 

リンク先のページの主催者といろいろと意見交換をしていたのですが、大事な要素が含まれているのに気がつきましたので、やりとりの一部をここに公開します。

尚、ここに記載してあるのは私のコメント部分だけです。発端は下記をご参照ください。

http://www.geocities.co.jp/Athlete-Samos/5136/page6.html

http://www2.oninet.ne.jp/khmf/tunahiki8.html#tunajump

 

☆ホイールの調整について

 
ホイールの上下が非対称な場合があることは想像していましたが、チェックしたことはありませんでした。
ただHOYTの場合、右用/左用で上下のホイールを逆転させて使うようになっているため、意図的にずらしているとは考えられません。
おそらく、工作精度かロットの問題かと思います。
 
さて、ケーブル長をそろえるかフルドローでのホイールのシンクロをあわせるかという問題なのですが、前者の方法はスチールケーブル時代に使用したテクニックでした。
 
現在のようなストリング材料によるケーブル素材が出現したことと、ホイール形状がバレーが広いものから狭いものに流行が変化してきたプロセスで、シンクロ不良による振動の問題およびエイミング時の安定性の問題などがクローズアップされてきたという背景があります。
 
スチールケーブル時代でも、同様のことが発生していたはずですが、スチールケーブルのほうが伸び率が比較的均一であること、バレーが広くてあいまいなホイールと伸び率の高いダクロン弦を使用していたため多くのアーチャーが気がつかなかったというのが事実のような気がしています。
 
野仲哲治元プロのように気がついている人も存在しましたがほんの一部です。
 
どちらにしても、現在の主流はフルドローでのシンクロをあわせる方式だと思っています。
均一性があいまいなストリング系のケーブル素材を使用している限り、フルドローでのシンクロをあわせたほうが使いやすいセットができるからです。

 

バレーがあっていないセットでは、上下のストリングが異なる強さで引っ張られるためにエイミング時に上下動してしまいます。このためだけでもバレーでシンクロをあわせるのが現時点では合理的な方法だと個人的には思っています。
ドローイングマシーン購入の主目的はこのシンクロチェックでした。
 
☆ホイールのチルトについて
 
ところで、静的なチェックのポイントはもう1箇所あります。
ホイールのチルトの調整です。
 
この方法は、ドローイング時にリムのねじれを生じさせリムにダメージを与えてしまいますし、ライザーにもストレスを大きくかける結果、短時間でセットが破損してしまったケースが多くありました。
 
この方法の危険性についてはHOYTの社長、ランディ・ウォークとAMOショーの時に直接面談して確認してあります。
詳細は私のページにアップしてありますのでご参照ください。
 
ホイールが垂直になるようにヨークを調整するのは、ブレースハイト位置は論外として、ピークウェイトのポジションがそれともフルドロー時にするかという問題があります。
これは、ホイールの設計値(FXドローカーブ)との関連があると思っていますが実証はできていません。
 
私が関連記事を書いた時点ではピークウェイト位置を基準としましたが現在の主流はフルドロー時のようです。
これは、多くのレーザーアラインメントツールが発売されそのいずれもがフルドロー時でのチューニング方法を解説しているからです。
 
☆動的プロセスのチェック
 
さて、いずれの方法をとるにしろ、それは静的なチェックにほかなりませんので動的プロセスを保証するものではありません。
動的プロセスを確認する簡単で確実な方法を模索中です。
 
近いものとして、京都の大畑さんがBowmanサイトで紹介しているクリープチューニング方式(最近雑誌アーチェリーでも記事になりました)が唯一動的プロセスをコントロールするための方法だと考えているのですが、高度なシューティング技術を要求されそうで私には使いこなす自信がありません。

クリープチューニングによるホイールタイミングのファインチューニング方法

 

HOYTの最初のヨークはハードでした。
その後、ソフトヨークに変わりそのときには2ピースになっていてヨーク接合部分を
括っていませんでした。
これは、ヨークの本来的な使い方。つまり、「捩れや偏りに対して自然に無理のない
補正を加える」機能が生きていました。

次の世代になって、ヨークとケーブルの接合部分が糸で括られてしまったので、左右
のヨークは独立してツイストすることができるようになりチルトの調整が可能になり
ましたが、私が指摘したような勘違いが生じてトラブル発生の原因になってしまいま
した。

現在のHOYTのヨークは括りのない2ピースに戻ったようです。
その上ヨーク部分を長くしているところから、「捩れに対して自然に無理のない補正
を加える」機能のためにヨークを使う方向に軌道修正したと考えています。

ヨークの使い方は

☆本来のヨークの使い方

     ・・・・・自動修正機能

            ・・・・・接合部をフリーにした2ピース構造

☆チューニング要素としての使い方

     ・・・・・・左右のツイストを可変とすることでチルトの調整


             ・・・・・2ピースを糸で括るか、ケーブルを2股に分岐

の2種類と考えているのですが、いかがなものでしょうか?

HOYTは前者、私の使用しているAccuriserは後者のタイプのヨークです。

  > チルトを変えるとなると

  > カムの左右のスペーサーの厚さを変えてカムの位置をずらせる
  > という方法はどうでしょうか?

方法としては可能かと思います。
ホイールのサイズやタイプによってチルトの状態は変わるので苦労しそうですが・・
・・
いつもちょうど良いスペーサーの発見に苦労しています。
多少の遊びもないと、ホイール軸が片べりしてしまうこともあるようです。

ほかの方法として左右のリムの厚さや幅を変えるという方法もあります。
私の記事のなかのTSSの部分がその一例ですがこれはもっと難しそうです。
HOYTがヨークのタイプを変えてきたということは、このあたりはいじって欲しくない
ということなのかも知れません。

2003.2.5


Mathewsの帰還

 

モニター用に仲間に貸してあったMathewsが帰ってきました。これで、デフレックス、リフレックス、ワンカムと3種類のセットが準備できたので、ヘリカルテストを再開できます。

 

Bow Length    41"

Riser       27.1/8"

CAM       MaxCam  (65%Let-off)

Peak Weight     42#

Draw length     27"

Sight    

    スピギャレリコンパウンド

カーボンサイト マスターPRO 360°

Scope   バイター × 2

Peep  ジェネシス 

         アジャスタブルコントロールピープ

Stabilizer

    K UCRUセラミックスカーボンケプラー

ArrowRest 

     ゴールデンキー3Dプレミア

     + ゴールデンキーカーボンスプレームランチャ

Brace height 7"

Tiller height 9.1/2"

Arrow 

    プロセレクト 210 27インチ

     + バイターオーバーノック#2

     + 110 グレインカーボンテックポイント

 

Mathews Solocam  Conquest2

※やっと帰還した、ソロカムモデル。スタビライザーはリフレックスライザーに合わせて特注でぎりぎり限界の23インチまで短さにカットしてもらいました。

 

2003.1.24

 

Enticerの復活

評価テストのパターンを追加するために、別チューンのセットが必要と判断。記念品としてストックしてあったEnticerを復活させることにしました。

 

 

 

以前のEnticer Carboniteのセット

 

 

 

今回、再セットアップしたテスト用 Enticer Carbonite

ボウレングス 38インチ

ピークウェイト 45ポンド レットオフ 67%

ホイール アキュホイールNo.2

ストリング Zebra 55インチ

+ジェネシスアジャスタブルコントロールピープ 

ケーブル HOYT35インチ

ブレースハイト 6.3/4インチ

レスト HOYTマイクロフライトオーバードローレスト

+AREレストピン

以前のモデルと異なるのは、今回はストリングにZebraを採用したこと。ケーブルガイドをオフセット調整が出来ないカーボンタイプのものからオフセット調整が可能なステンレス製に変更。

尚、サイトとスタビライザーはPSEリカーブボウに装着していたものを流用しました。

2003.1.13

 

ベアシャフト回転チェックテスト

レストの位置を変化させてベアシャフトの回転量をチェックしました。レストの移動量は約2mm。

テストはいずれも同一シャフトで2射ずつで行いました。

 a レストアップ 左45度

 

多少の変化はあったものの期待していたほど劇的な差は出ませんでした。

結果の分析には時間がかかりそうですが、無理やり傾向を出すと上下方向ではレストアップ(つまりノッキングポイントが低い)だと回転が大きくなっています。

左右方向では、左よりのほうが回転が小さくなるようなので、チューニングポイントはこちら側にあるのかも知れませんが、あくまで憶測です。

ただ、チューニングによってシャフトの回転が異なるのではないかという疑問については無関係とはいいきれないという結果にはなったようです。

 b レスト左・アップ 左30度
 c レスト左 左30度弱
 d レスト左・ダウン 左30度
 e レストダウン 左30度
 f レスト右・ダウン 左40度
 g レスト右 左30度強
 h レスト右・アップ 左45度

 

実験後に今回使用したベアシャフト(ステンレステープを巻いたもの)と以前準備してあったノックに金属棒を挿入したものを比較してみたのですが、結果が微妙に異なることに気がつきました。



FOCと重量は可能な範囲で合わせてあります。違いがあるとすれば金属テープによりスパインが異なったこと。金属テープの場合には5インチ1/2の範囲にわたってテープが巻きついています。
これだけの範囲に0.02mmの金属が巻きついていますから、スパインが固くなってしまうはず!!

そこで、スパインテスターで計測してみると案の定・・・・・

金属テープ巻きベアシャフト    500
ウェイト調整ノック付ベアシャフト 504
フレッチングシャフト         503

これでは、スパインが異なるシャフトで比較テストをしていることになってしまいます。
スパイン数値で3−4異なるということはラフに実質ポンドが0.5ポンド変化したに等しいのです。

今回の実験は、全部同じシャフトで行ったので判明した傾向にはあまり影響はないと思うのですがほかのシャフトとの比較テストであるグルーピング評価の対象としては問題ありです。

ということで、次回からのグルーピング評価テストはウェイトインサート型のベアシャフトで実施することにしました。

ヴェインの質量やフレッチングの位置でパラドックスの発生量が異なることはわかっているのですが、ベアシャフトチューニングにはどの要素を中心にするべきか再検討に入りました。

2003.1.9-10


ヘリカルピッチ評価テスト〜2

 

シューティングマシーンおよび人間(私自身)による実射で、シャフトの回転をチェックしました。

設定は、いずれもピボットからマット面まで1.5メートルの距離での測定です。

シューティングマシーン、実射ともに使用したリリーサーはカーターのBKターゲットです。ただし、ロットは違います。

ベアシャフト マシーン

 

当初、ストレートでヒットすると思ったのですが、なぜか左回転45度でした。

リリーサーを水平、ターン、逆ターンといろいろと変えてみましたが変化はありませんでした。

実  射

 

こちらも、左回転。ただし、射によっては45度まで回転しない場合もありました。やはり、人間がシュートするとなにかの要素でばらつくようです。

ストレートピッチアロー マシーン

 

ベアシャフトが上記の状態なので、こちらも左回転かと思いきや、なんとストレートにヒット。

実  射

 

こちらも、シューティングマシーンとまったく同じにストレートヒット。

ヘリカルピッチアロー マシーン

 

こちらは、予測どおり見事に左回転約225度。

実  射

 

左回転。ただし225度まで回転しない場合もありました。

 

今回のテストは私の現在のマイボウ(アキュライザー・ケーブルガイドモデル)のみで行ったテストなので短絡的な結論は出せませんが、ベアシャフトとストレートピッチの関係は非常に興味深いものがあります。

ヘリカルピッチの場合には、そのように設計したピッチなので当然といえば当然なのですが、ストレートピッチのヴェイン場合には、シャフトの回転を抑えるような働きがあるのでしょうか?不思議です。多少射がばらついてもストレートにヒットします。なぜ????

次回は、距離においてベアシャフトチューニングをしてみます。可能であれば、10メートルから始めたいところなのですが、射場の環境によってはいきなり30メートルないしは50メートルから開始しなければならないかも知れません。

2003.1.5

 

ヘリカルピッチ評価テスト〜1

 

ヘリカルピッチのテストを開始するための準備として、3種類のシャフトを用意しました。

使用するシャフトは、

  プロセレクト188 23インチ
  CTノックアダプタ + バイター12−2ノック
  CTコンペティションポイント 110グレイン
  Duravae 3D 1.8インチ

これらを、
左ピッチヘリカルにフレッチングしたもの         12本
ストレートピッチにフレッチングしたもの          6本
FOCと重量をフレッチシャフトに合わせたベアシャフト   6本


を準備しました。

重量は、いずれも277gr。 FOCは 14.16%にそろえてあります。

これらの3種類がグルーピングする位置が、最も精度が高いチューニングポイントなのではと考えています。
これらの違いは「フレッチングによる流体抵抗だけ」のはずですから、アローがまっすぐに押し出されていれば同じ場所にヒットするはず・・・・・
と思っています。
 

ベアシャフト

 

通常、ベアシャフトチューニングには単にヴェインをはがしただけのアローを使用していますが、重量とFOCが異なるシャフト間での比較では精度が出ないと考えました。そこで、ベアシャフトの重量とFOCをフレッチングシャフトと一致させる工夫をしてみました。

方法-1 ノックに重量物を挿入し重量とFOCをそろえる。

この今回は、プロセレクトのポイントピンのかけらをバイターノックに挿入(低音タイプのホットメルトで固定)。微調整は、ノックとピンをやすりで削り落としました。

写真の一番上

方法-2 金属テープをシャフトに巻きつけて重量とFOCを調整

ノックはそのままで、ヴェインの代わりに金属テープをシャフトに巻きつけて重量とFOCをそろえました。

以上の2つの方法を考えそれぞれ準備をしてみたのですが、方法-1では微調整の段階でノックを削り落とす必要があったので強度面で不安がありました。

そこで、今回は方法-2を採用することにしました。

この方法であれば、誰でも簡単に用意ができます。今回、使用した金属テープはハンズで入手した、「ステンレス粘着シート」(¥950)です。ほかにアルミ製のテープも購入したのですが、重量的な問題(補正量11gr)から今回はこちらを利用しました。

SWVを使用している方であればアルミの方で充分かも知れません。ちなみに、こちらは¥480でした。

写真の上より2番目

 

ストレートピッチアロー

 

これらは、ピッチ角度0でフレッチングしました。位置づけとしては第2ベアシャフト的な発想です。

写真の上より3番目

ヘリカルピッチアロー

 

もうおなじみとなった左ピッチのスーパーヘリカルです。

写真の一番下

2003.1.5

 

ヘリカルピッチ

 

ヘリカルピッチには否定的な意見も多いのですが、いまだに疑問なのはスピンウィング(これもヘリカルの一種)が良くてビニール系のヴェインのヘリカルはなぜだめといわれるのかです。

これは評価の対象と設定環境が間違えているのではと考えました。

スピンウィングはフィルムそのものをヘリカル 形状にしているため、誰にでもヘリカルピッチのフレッチングガ出来ますが、ビニール系のヴェインでは専用のフレッチャーが必要になります。

基本的にヘリカルピッチはどの断面でもシャフトとヴェインは垂直に接着されていなければならないのですが、そのためにはフレッチャーのクランプを加工する必要が出てきます。

以下はその考察です。

*図は左ピッチ、テールエンドでの断面と考えてください。

*ヴェインは図では垂直になっていますが実際にはピッチ方向に引っ張られているためフィン上部がカールします。

 

一般的なフレッチャーでピッチを強くするとこのように接着されてしまいます。

この場合、ヴェインはきれいならせん状にはなりません。

これでは空気の流れがスムーズにならず単なる抵抗になってしまうはずです。

ヘリカルピッチの評価のほとんどはこのようにフレッチングされたアローを使用した人々によってくだされたものだと思っています。

ヘリカル用に加工したフレッチャーでは、ヴェインの台座部分がシャフトの面に均等に当たるように加工します。

クランプを外した時点でシャフトとヴェインは垂直な断面を形成できます。

もし、正確なヘリカルピッチを構成したいのであれば、シャフトの口径と希望するピッチに合わせた専用のクランプを作成する必要が出てきます。

ヘリカル用に加工していないクランプでも、一般的な接着剤ではなくフレッチングテープを使用した場合には仕上がり結果が左図のようになりました。

これは両面テープがそのままの形状を維持しようとする結果、ヴェインとシャフトが垂直になったものと思われます。

 

入手したDuravaneが気に入らなかった(固さの面で)ために、フレッチャーのチューニングのあたり用に使用していてこの結果に気がつきました。

Duravaneはヴェインのフィン部分が、テーパー形状になっているためさらにきれいなヘリカルラインを構成できたようです。

ヴェインの素材がやわらか過ぎると思っていたのですが、ヘリカルピッチにフレッチングしたため強いテンションで台座が引っ張られているためか理想に近い固さになっています。

柔らか過ぎるヴェインをヘリカルピッチにすると、フラッター現象を引き起こしやすくなりヴェインがばたついてしまうのですがこれならその心配はなさそうです。

このような偶然が重なった結果、コンパウンドボウではあきらめていたヘリカルピッチのテストができそうです。

ヘリカル・イズ・ベストとは考えていませんが、いわれなき悪評が先行するという世界に憎悪すら感じています。環境と条件を整備した上で評価してみたいと考えています。

 

2002.11.22      

 

 

リカーブボウテスト結果報告-1

 

とりあえず30mで実射しました。以下は中間報告です。

 

 アロー

心配していたヴェインのクリアランスは問題なし。

ただ、スパインが想定していたよりも弱かったらしくかなり右にグルーピング。プランジャーのスプリングを極限まで固くしましたが3時の8点に集中させるのがやっと。ただし、10リング以内には収まるグルーピングなのでこのままでなんとかなりそう。

対応方法として・・・

(1)スプリングがハードだったので、これをエキストラハードに交換する。

(2)オフセットを大きくして対応する。

これは使用しているChek-itのレストでは取り付け土台の肉厚が厚いためこれ以上オフセットをとれません。(写真左 肉厚6.35mm)

(A)とりあえず、Chek-itの土台部分を砥石で研磨してみましたが ねじ穴が存在するため、コンマ数ミリしか薄くできませんでした。(写真中央 肉厚6.20mm)

(B)手持ちのキャバリエのものと交換も検討しています。こちらは土台の肉厚がChek-itのものより薄くなっていますが機構が複雑なのでちょっと躊躇しています。(写真右 肉厚4.90mm)

(3)ポイントを軽くする。

これはヘリカルピッチとのコンビネーションを考えると最終段階まで採用したくありません。

(4)タブを薄くする。

手持ちのタブがほかにないので、却下。

(5)ストリングのストランドを増やす。

18本弦を20本弦にすると、ノックサイズの変更も必要なので却下。

最初に(1)+ (2)-(A)の組み合わせ。第二段階として(2)-(B)、次に(3)の順で対応させてゆくつもりでいます。

 

 ベアシャフトチューニング

上記の修正が完了したらベアシャフトチューニングを実施するつもりです。

用意したベアシャフトはテール部にポイントのピンのかけらを削って挿入し、フレッチ済みのアローとFOCをそろえてあります。

10メートルを超える距離でのベアテストにはFOCの一致は必須のはずなのですがそこまでやっているアーチャーはいないようです。

FOCが一致していないと、おそらく10メートル以上の距離ではアローの姿勢が変化してしま い精度が落ちてしまうと思うのですが・・・・・

後輩の学生たちはFOCの調整をせずに30―50メートルでベアテストをしているようですがあまり意味がないような気がしています。

 

 

 スタビライザー

尚、アキュライザー用のオフセットカウンターバランスシステムをそのままスタビライザーとして試用したのですが効果は抜群。

ローリングも防止できる上カウンターバランスによる振動の吸収も充分。

Vバーは必要ないかも知れません。ロッドが多いと共振して振動が増幅される率が高くなります。ロッドをたくさん装着しかえって振動を増幅させているアーチャーがとても多いのです。

私の持論はシンプル・イズ・ベスト。

お勧めする対象は

・軽量タイプのセッティングが好み

・カウンターバランスのホールがないライザーでローリングに悩んでいる。かといってVバーは使えないのであればお勧めします。(カウンターバランスのホールがあるなら素直にカウンターバランスをセットすれば良いと思います。)

・比較的短いライザーやロアーピボットタイプのライザーを使用している

 

 

別に、商品として扱っているからメリットを強調しているのではありません。オフセットシステムは適当なアルミ板とタップがあれば簡単に作成できます。アルミ板はハンズ等のDIYで入手可能ですし、秋葉のシャーシ屋を漁ればなんとかなるはずです。

カウンターバランス部分は古いTFCを流用してもいいと思いますし、既製品ならDoinkerのバック・ドゥインカーあたりがお勧め。いずれ振動吸収剤を利用したものを試作してみるつもりでいます。

 

 ヘリカルピッチ

これは自宅での近射テストなのですが、1メートルの距離からのシュートで左方向(半時計方向)に約60度回転しています。これは想定以上の回転数です。

なぜ、右利きなのに左ピッチかという理由なのですが・・・・

フレッチャーがストレートタイプのものをそのまま使用しているので右にピッチを取るより左に振ったほうがピッチ角度が大きく取れたこと。

アローは回転方向に引っ張られるような動きをするので右ピッチではアローをプランジャーに押し付けるような力が加わるはず。左回転なら逆にプランジャーから離れるような力が加わるはずなので パラドックスノ解消がより早くなり、クリアランスも取りやすくなるはず・・・・・

 

2002.11.10


 リカーブボウのテスト

 

サミックのマスターズリムを入手したのでテストをすることにしました

テストに使用する環境およびテスト目的は以下の通りです。

 

ハンドルライザー

 

PSE CENTRA

7075 フォージドハンドル?詳細は不明 ですがかなり硬質なアロイを使用しています。 コンパウンドボウ並みにアローのクリアランスのえぐりが大きいのが特徴、レストとプランジャーの選択に苦労しました。

リム

 

SAMICK MASTERS 

Mリム  66"  34Lbs

レスト

 

Chekit  TR200

バイター プランジャー

  シリンダー61.5mm

  チップ 44mm

*今回はこの組み合わせでしかセンターショットが取れませんでした。キャバリエの同タイプも入手したのでこちらの使用も検討しています。

プランジャー
ストリング

 

FF 18ストランド

ブレースハイト 8.1/4インチ

サイト

 

SureLOC Lite

9インチ

サイトピン

 

シブヤ

スタビライザー

 

 Kアーチェリー カーボンUCRUセラミック/ケプラー   26インチ

           + バイブラチェック製オフセットブラケット

*こちらはアキュライザーに使用しているセットをそのまま流用

 

アロー

 

AVIA 188    26インチ

+ バイターアウトサートノック #1

+ Duravane 3D  スーパーヘリカル左ピッチ

+ カーボンテック ポイント 109グレイン

FOC: 13.2%

重量:294gr

*今回はローコストアローでテスト。

計算上の初速は175Km/hです。

タブ  

NEET RING TAB

*相当昔のものですが、表革はかなり良質なもの。このシンプルさが私の好みです。

テストの目的

 

リムの評価テスト

オフセットカウンターバランスシステムのリカーブボウとの相性。

スーパーヘリカルヴェインのテスト

ベアシャフトチューニングの再評価

2002.11.8

 

 ランチャーアーム(レストアーム)の作成

アキュライザーはオーバードロー部分が長いため市販のレストアームではFITAのルール内に収まりません。

個人としては当面公式試合に出場するつもりはないので実用上問題はないのですが、さまざまな実験をする上でFITAに準拠しているほうが良いと判断。

そこで、対応するロングアームを作成することにしました。

 

 

作成の要点

☆プロセレクト18+Duravane3D 1.8"のスーパーヘリカルピッチでクリアランスが取れること。

☆FITA準拠のリミットであるオーバードローポジション6Cmをクリアすること

右はあまり鮮明ではありませんが、実際のアローをノック側から見た画像です。

 

さて、市販のゴールデンキー製のカーボンシュプレームのアーム取り付け部分は3mm、アーム本体直径4mmです 。

今回はプロセレクト180-188の範囲なので本体直径は3mmで充分と判断。

ただし、196以上のプロセレクトやEASTONのカーボンアローを使用する場合には4mm以上の丸棒が必要かと思います。

 

 

今回は、ハンズで3mm径のステンレス(SUS303)の丸棒を購入し、砥石とやすりで加工しました。材料は結構硬かったのですが加工は簡単でした。

いずれ真鍮の丸棒でも造ってみようと思っていますが、へたりが早いかも知れません。

 

 

 

 

 

左図は完成写真です。

クリアランスは充分かと思いますが、レストアームがかなり細いのでドローイングの仕方によってはレストダウンするかも知れません。注意が必要です。

尚、レストアームが長くなった分モーメントの関係で相対的にスプリングが弱くなるのでレストのテンションを2段階ほど強くしました。

 

*** レストアームに関する注意 ***

レストアームにはかなりのストレスと衝撃がかかっています。

たて方向はスプリングの作動によってある程度緩和されるのですが、横方向は逃げがないのでかなりダメージを受けるようです。

AREやゴールデンキーのゴールデンガイドのようなパイプとワイヤーの組み合わせのレストアームで長さ調整をするために、パイプからワイヤー部分を引き出して使用しているアーチャーが結構います。

ワイヤーの芯を抜いてしまってパイプだけでストレスを支えようとするとパイプが金属疲労を起こし横に曲がってしまいます。

シュートを繰り返していると熱が蓄積しパイプが曲がって首を振ってしまうのですが、多くのアーチャーは気がついていません。なぜなら、矢取りに行っている間に熱が冷めて形が戻ってしまうからです。

シュートをしているとアローが一方向に外れてゆく傾向があるときはこの辺を疑ってみる必要があるかも知れません。数射してレストアームの様子をみてください。もし、首を振っているようであればそのレスト交換しないと危険です。ひどい状態では、2−3射で首を振っているのに気がつくはずです。

尚、アルミの削りだしハンドルの金属疲労が進むと同様の現象が発生します。レストアームに異常がないのに同様の現象が発生している場合には、ライザーの寿命を疑う必要があります。

2002.10.20


Duravane

 

 

長い間コンパウンドボウに対応するヴェインを探していたのですが、どれも帯・たすきでなかなか良いものに出会えませんでした。

コンパウンドボウではランチャータイプのレストを使用するためクリアランスの問題もあり、あまりピッチは付けられません。

個人的には、昔愛用したようなヘリカルピッチのフレッチングとヘビーポイントを組み合わせたものが好みなのですが、しかたなくストレートピッチでがまんしていました。ピッチが付けられないのであれば、フレキシブルタイプのヴェインよりソリッドタイプ(大昔のBjornのプラ羽根)のようなものが理想的です。

現在、なんとか入手できるものとしてKバイメのスーパーフロナイトがあるのですがヴェインが弱くヒットすると変形してしまうためあまり好きではありません。

バイター辺りがソリッドヴェインでも研究しているのではと問い合わせしたこともありましたが、その気はないと断られました。

そんなこんなをしているうちに、Web上でDuravaneを発見しサンプル的に取り寄せてみましたが、材質的にはアリゾナのElite Vane(Eastonのダイヤモンドヴェイン)と類似しておりソリッドなヴェインではありませんでした。

このままお蔵入りにするつもりでしたが、フレッチャーのチューニング中にふと思いついて、ヘリカルピッチでフレッチングしたところフィン部分がテーパー状になっているためか、実にきれいにシャフトに巻きついてくれました。

ひょっとして、ヘリカルピッチ用に使用できるのではと思いテストしてみることにしました。

テストのプロセスおよび結果はアキュライザーコーナーをご覧下さい。

尚、今回入手したものは3D用で1.8インチのものです。

メーカー発表のスペックは上図の通りです。

 

2002.10.15

 

Hooter Shooter

 

長い間懸案であったドローイングマシーン(シューティングマシーン)をやっと導入できました。インディアナポリスのAMOショーで発見して以来、気にはしていたのですが設置スペースの問題もあり半分あきらめていました。

しかし、阿佐ヶ谷オフィスの開設により設置スペースができたため、導入に踏み切りました。

この機器を使用するとコンパウンドボウではホイールのシンクロの状態や、ケーブルガイドやハンドルライザーのひずみによる傾き等が調整しやすくなります。リカーブボウにおいてはドローイングプロセスでのリムバランスのチェックが可能になります。

また、この機器はシューティングマシーンとしても使用できるためアロースピードメータと組み合わせてチューニングの良し悪しの判定もある程度可能になるはずです。例えば、リカーブボウにおいて、プランジャーのスプリングの調整をした時にこの装置でアロースピードが最も速い位置が最も効率のよい位置ではないかと考えられるのです。

もちろん、問題がないわけではありません。アーチャーの個性のひとつである取り掛けの再現が必要になります。これは、使用するタブの材質や厚さによっても異なってきますし、アーチャーの握力とも関連がある要素です。それをどうやって再現するかがテーマです。

もうひとつの要素である、グリップのスタイルは再現機構がこのマシーンには含まれています。もちろん射角の問題なども要素として大きいのですが、あるレベルまでは再現できるのではと期待しています。

どちらにしても、実験とデータの検証が必要になります。これは時間をかけて少しでも多くのデータを収集するしかなさそうです。

ところで、私のリファレンスコンパウンドボウはボウマン・アキュライザーなのですがこのマシーンにセットするのにちょっとした問題が発生しました。アキュライザーはグリップだけスイベル付のバーでサポートされているためハンドル部分がグリップ右後方に位置します。そのためマシーンのグリップサポートとぶつかってしまいうまくセットできませんでした。仕方ないのでグリップの位置前方に移動しかろうじてセットすることができました。

また、自分で使用するリリーサーをセットできるのですが、カーターの場合トリガー用のドラムが邪魔をしてこれもうまくセットできないのです。これもドラムをはずしてセットして逃げました。

 

 

 

グリップのサポート部分はハイ/ローの圧力が調整できるものとシンプルにサポートするものの2種類がついてきました。本当は圧力調整が可能なものを使いたかったのですが、リファレンスのボウマン・アキュライザーでは形状の関係からセットできませんでした。

ドローイングはウィンチで行いますがなかなか質の良いものがついており動作もスムーズです。

リリーサーのセット部品、ほかにリストバンドスタイルのリリーサー用のアダプタもついていました。リカーブボウ用はついていないのでいろいろと工夫が必要ですがこのマシーンでリカーブボウをシュートしてもあまり意味がないのでロープをループにして固定してドローイングチェックをすることにしました。

なかなか仕上げの良い製品でUSA製にみられる雑っぽさがありません。非常に丁寧に作られています。

 

2001.8.30

 

 

 

Archer's Advantage
 

インディアナポリスで入手してきたArcher’s Advantageを試してみました。

本来はサイトチャートを印刷してくれるプログラムなのですが、スパイン選択シミュレータとしての機能が内蔵されているのが気に入り購入しました。

かなり前からSure−Locのカタログに掲載されていたのですがここまでの機能が含まれているとは知りませんでした。AMOショーのブースで親切に説明してくれたので始めてその有用性に気が付きました。

以下は、簡単な試用レポートです。

 

 

メニュー画面

 

 

スパインセレクター画面です。アロースペック画面、ボウスペック画面で入力したデータに従ってスパインの傾向を表示してくれます。

任意でデータを修正してシミュレートすることが可能です。

EASTONのアローフライトシミュレーションのようにアローのオーバーハング(レストとの接触点からカット面までの距離)を入力する部分がありませんがおそらく標準的な1インチで算出しているものと思われます。

上図は私の使用しているプロセレクトのアローの実データの画面です。(メーカーはCarbon Techになっていますがこれはプロセレクトと同じものです。)

私のセットはスパインをかなり柔らかめでセットしているのですが見事にこの傾向を表示してくれています。

 

 

こちらはボウスペックの入力画面です。

使用するホイールのタイプを選択すると標準的なドローレングス/ドローウェイトの数値を左のセルに自動入力したくれたうえにFX曲線グラフを自動的に描いてくれます。併せて、蓄積エネルギーから初速まで算出してくれます。

当然実測したデータを左側のセルに入力すればより精度の高いシミュレーションが出来るはずです。

この点はEASTONのものより優れています。

 

 

アロースペックの入力画面です。メーカー、スパイン等のスペックを入力すると計算上のアロー質量を算出してくれます。もちろん、実測値を入力すればより精度が上がるのは当然です。

 

2001.2.8   

 

アロー素材の特徴

 

現在使用されているアローの素材には、アルミ、アルミ/カーボンコンポジット、フルカーボン、グラスファイバー、ウッドなどがあります。

グラスファイバーとウッドはハンティング用途が多いのでここではコメントを避けますが素材によって下記のような特徴があります。

 

アルミアロー

 

品質の安定性は見事なものですが、シュートを繰り返していると想像以上に金属疲労が早く進行しているようです。

 

アルミ/カーボン

 

品質的にはアルミほど一定性はないようです。

耐久性は複合材料のためかかなりのものです。

しかし、カーボンとアルミの接着層が剥離を起こした場合には急激に破損を引き起こすので注意が必要です。

シャフトの一部が膨らんだりシャフトエンドにクラックが入ったら危険です。直ちに使用を止めてください。

この種類のうち経験的に品質的に最も安定性があるのがX10、ACC、ACEの順でした。

これはスパインテスターで同じロット(未使用のもの)を計測した結果です。私だけでなくよそのかなり技術力があると私が認めているショップでも同様の結果だったようです。

 

フルカーボンアロー

 

品質的には最も安定性がないといえるかもしれません。

しかし、ローコストであること、同じスパインであればアルミアローより口径が細くて軽量であるというメリットがあります。

素材の関係で(カーボンのバインディング材)であるエポキシは衝撃による劣化が早い上熱にも弱いので耐久性は短いと考えたほうが良いかと思います。

クラックが見えたら直ちに使用を中止してください。事故のもとです。

 

アローのスーパーセレクトプロセス

 

少しでもスコアを安定させレベルアップをしたいと考えているのであればアローのスーパーセレクトは必須です。以下に考えられるステップを記述してみました。

 

ステップ1 スパインテスターによるスパインの均一性チェック

ステップ2 グレイン秤による質量のチェック
ステップ3 シャフトのクラックの有無の確認
ステップ4 ポイントのグレイン秤による質量のチェック

以下はシャフトをカットした後に実施することをお勧めします。

ステップ5 アローカット面のクラック等有無の確認
ステップ6 ストレート度の確認

次のステップはアローの完成後に実施します。

ステップ7 (完成アローの質量チェック)

グレイン秤による質量のチェックし、ポイントの差し替えによりなるべく均一重量になるような組み合わせを作り出します。

ステップ8

FOCの確認

次のステップは実射による行います。

ステップ9 (ノックのターンテスト)

距離を実射しグルーピングから外れたアローをピックアップします。ピックアップしたアローのノックを120度回転させて再び同じようにシュートし選択を繰り返します。

360度回転させても外れるアローがあればノックを交換して同様のテストと選別を繰り返します。どのようにしてもグルーピングから外れやすいアローは残念ですが使用を見合わせましょう。

 

 

以上、現在考え得る方法を提示しました。スパインテスターやグレイン秤など入手しにくいものばかりを使用していますが仕方ありません。

特にスパインテスターは現在入手が不可能なようですが、もしテスターを所有しているショップを見つけたら調べてもらえるように依頼するのもひとつの方法です。 器用で知識がある方ならマイクロメーターを利用してテスターを作成することは可能かもしれません。Eastonが発表しているスパインは確認できないまでも手持ちのアローの相対的なチェックは可能なはずです。

グレイン秤は多少高価ですが、銃砲店にゆけば入手が可能なはずです。

スパインテスターはおろか、グレイン秤も持っていないショップも存在するようですが・・・・

 

2001.1/15 

 

長年懸案だったワークショップとしてのセットアップがほぼ完了しました。

ワークスペースに必要なものは、ウォームギア式ボウプレス、グレイン秤、スパインテスター、アローカッター、フレッチャー、ストリングジグそしてドローイングジグ。

ドローイングジグ以外は、入手できたので(スパインテスターは借り物)かなり精度の高いチューニングが可能になるはずです。

あと必要なのは時間なのですが・・・・・

とりあえず正月休みの間にアキュライザーの再セットアップとチューニングデータの整理をしています。

 

TSSおよびRAMBOについて

 

TSSのオメガホイールおよびRAMBO(映画仕様)のドラム型ホイールの形状について掲示板で話題になっていましたのでここで解説します。

 

TSSの特徴について

TSSクアドラフレックスはEASTONがHOYTを買収する前に密かに製造してテストしていたユニークなコンストラクションのコンパウンドボウです。

フォージドライザー(アルミ鍛造ハンドル)の採用、左右の幅が異なるスプリットリム、ケーブルガイドなしでも自動的にケーブルがオフセットされるオメガホイール、ワイヤによるリムサポート、てこの原理によるリムピボット等々が特徴です。

日本に何セット上陸したかは正確にはわかりませんが、私の手元にあるセット以外は死滅してしまったようです。聞いたところによるとほとんどがリムの剥離とのこと。おそらくリムを長持ちさせようとしてリムボルトを緩めたのが原因かと思われます。

リムは適当なテンション(ケーブルの張力によって発生する)がないと振動がダンプされずかえって破損しやすいのです。ためしにリムボルトを可能な限り緩めてシュートしてみると分かりますが、かなりの振動を引き起こすはずです。私のお奨めは、リムボルトをいっぱいに締めこんだ状態から一回転緩めたところで使用することです。これなら、テンションのコントロールで発生パラドックスを可変する余地がありますしリムテンションも充分です。

(余談ですが、Bowmanのアキュライザーもオーダーしたポンド数を一回転緩めたリムボルトポジションで設定し出荷してきています)

 

ケーブルがシュート時にわずかではありますが横揺れを引き起こすためダンプ用のストッパーをケーブルに装着してあります。もちろん、これは私個人の工夫によるものでオリジナルセットではありません。
フルドロー時に、リムピボットを支点としてリムがわずかにアーチャーの側にスライドしています。このために、リムのサポートにボルトではなくフレキシブルなワイヤを使用したものと思われます。

 

リムのワイヤサポート部分

(この部分のワイヤが引き抜けるトラブルがあったのですが、知り合いにステンのスポット溶接をしてもらい修理しました)

てこの原理を使ったリム支点

 

ドローイングしていない状態でのホイール

 

フルドロー時のホイール

左右のリムの幅の違いに注意

 

上の画像を比べていただくとわかるのですが、ドローイングしていない状態ではストリングとケーブルの間にクリアランスが取られています。一方フルドローでは、ストリングとケーブルがかなり接近しているのがわかると思います。

この機構とリムの左右の幅が異なったリムを組み合わせることにより、ドローイング時のホイールのチルトを最小に保つ工夫がなされています。

以上のようなユニークな機構を持ったモデルだったのですが、ホイールのレットオフが小さいこと、機構が複雑で繊細すぎてチューニング仕切れなかったのか、ワイヤの抜け等のトラブルが原因なのか分かりませんが製造を中止してしまったようです。

その後EASTONはHOYTを買収し現在にいたるのですが、EASTON/HOYTのブランドでは、結局、ごくオーソドックスなコンパウンドボウを製造することになったようです。

 

RAMBO

 

D・マレル原作の映画「ランボー怒りの脱出」で使われたモデルです。

製造はEASTON/HOYTで仕掛けたのは当時の副社長ジョー・ジンストンなのですが、ハンドルライザーの設計には現SKYアーチェリーのオーナーであるアール・ホイットがかかわっていたようです。(1999年のオハイオのAMOショーでアール・ホイット本人から聞きました)

テークダウンアローは早川書房のあとがきによるとポニーエキスプレスが細工したようです。

この映画仕様のモデルはフィンガーシュートを前提に製造されたようでTSSのオメガホイールに似通ったドラム型のホイールを採用してストリングととケーブルのクリアランスを確保しています。しかし、TSSのようにチルト対策としてドラム型にしたわけではないようです。

このモデルの発表後、ハンドルライザーを流用しRAMBOの名を冠したケーブルガイドつきのオーソドックスなモデルが販売されていました。しかし、一年後にモデル名がスペクトラシリーズに変更されてしまいました。

おそらく、ネーミングの契約が切れたものと思われます。

 

テストシュート中

スタビライザー以外はオリジナルのままです。

  

 

 

 

Now Printing

RAMBO(映画仕様)のホイール

オメガホイール

テークダウンアロー

   

2000.9/20   

 

 

簡易型ドローイングマシーンの作成(その3)

 

とりあえず、コンパウンドボウ用にとして最もシンプルな構成のセット材料を購入してきました。

入手したのは、幅60ミリ・高さ30ミリ・長さ2メートル・厚さ3ミリのチャンネル材、価格は東急ハンズ池袋店で3,870円。

?型ボルトはM8のものを一つ、価格は300円。

そのほかに、M8のナット、金属ワッシャー。

?型ボルトをチャンネル材に取り付け、?型フック部にストリングをひっかけハンドルライザーを手で引っ張ればフルドロー時のホイールのシンクロ状態は確認できます。

チャンネル材を壁に立てかけて使うのが一番使いやすいと思いますが、チャンネル材の上に乗っかって水平に使う事もできるはずです。

どちらにしても10キログラムから30キログラムくらいの負荷がかかるはずなので注意して扱ってください。

ポンド秤と組み合わせれば実質ポンドも計測できます。

リカーブボウのドローイングプロセスを見るためには?型フックにハンドルを縛り付け、2インチ刻みのドローイングポジションに?型フックを取り付ける必要があります。こちらの加工はいずれ実施する予定です。

 

2000.1/24   

 

簡易型ドローイングマシーンの作成(その2)+アルファ

 

ドローイングマシーン用のパーツのうち?型のボルトにはM4 M6 M8とあったのですが、M8だと2インチ刻みには大きすぎ、M4では強度が心配ということでM6に落ち着きそうです。極力ローコストで安全なものをと思っていろいろと考えています。

実際に自分で作成してから報告すれば良いのですが、チューニングの等を手伝っていた某ショップとの関係も、処遇・方針等が合わずに辞めてしまったため結果として資金がきつい。ということで当面の間実現できないのがつらいところです。

コンパウンドボウの場合、ホイールのシンクロをみるだけであればストリングを足に引っかけ、両手でフルドローするという荒っぽい方法でみれば調整可能なのですが・・・・・(自分でやってみてこれで充分なのでびっくりしました。調整してから実際にドローイングしシュートしてみれば調整前との違いは歴然としています)

問題はリカーブボウなのです。ブレースハイト位置から、フルドロー位置まで最低でも2インチ刻みでティラー差を計測してみないとリムのくせがわからず、当然のことながら調整もできないのです。

シューティング感覚が鋭い人ならば実射で煮詰めることはできるかもしれませんが・・・・・・

コンパウンドボウの場合にはケーブルが上下リムを連結しているせいもあってホイールのシンクロさえあわればそれほど極端な差がでないのですが、リカーブボウの場合はグリップやとりかけといったアーチャーの個性が反映するため簡単にはゆかないのです。

それでも、ドローイングプロセスを解析し調整するとごく近い線まではゆけますので、あとは実射で判断して微調整すればアーチャーの個性に合わせることは可能です。

要するにシュート時のノックの経路がまっすぐに近ければ良いのです。

ここまで、できるないしはやってくれるショップは皆無といっても良いと思いますのでアーチャーが自分自身でつめてゆくしかないと思います。

2000.1/13    

 

簡易型ドローイングマシーンの作成(その1)

ドローイングマシーンによるチューニングは現在考えうる最良のものだと考えています。

コンパウンドボウの場合には、これによってホイールのシンクロをマッチさせてゆくとドローフィーリングも滑らかになり、レットオフポジションも明確になってくるうえ弦音もおどろくほど静かになり振動も最小になります。

リカーブボウでは、ドロープロセスの間のティラーハイトの変動が最も小さいリムバランスを発見できると、弦音や振動はもちろんのこと、長距離での失速率が驚くほど小さくなります。

しかし、市販されているものは例外なく高価でサイズも大きくなってしまいます。そこで、簡易型のものを造ってみようと思い、材料捜しを開始しました。

必要なのは基盤部分・フック部分(ハンドル固定用およびストリング引っかけ用)。あと必要なのは、ナット、金属ワッシャー、ハンドル固定用のロープといったところですが。

基盤は東急ハンズで発見したアルミ製の2mチャンネル材(W65 H35 2t )、フック部分は?型のボルト、1個をハンドル固定用に、残りをストリングフック用に(10インチから2インチ刻みで28インチあたりまで)の予定です。

図にすると下記のような構造なのですが、リカーブボウ用としてはこれで良いのですがコンパウンドボウ用にはもうひとつだしポンド計測用としても使いたいのでただいま検討中です。

(その2に続く)

2000.1.9   

  

2000年セット

諸事情により、テスト用として借用していたバイパー/カーボナイトを返却することにしたため、使えるセットがなくなってしまいました。

手持ちの、スーパースター、エンタイサーは金属疲労のため使用するには痛々しいし、あとはコレクションしてある、ランボー、TSS、一連のRAMシリーズそして友人用に用意してあったがこれも事情により寝たままであったミスティックだけ、これはほとんど未使用であるため自分用に改造することにしました。

リムは当初レベルXTが付いていたのですが、仲間に悪戯用に提供してしまったので、装着できるものといえばスーパースターと長い間コンビを組んでいたファーストフライトリムだけ、選択の余地もないので自動的にこのコンビになったのですが・・・・・・・

ホイールは、いまさらエナジーホイールにしたくないので、手元にあるアキュホイールの2番を使用。

ミスティック/レベルXTはヨークシステムではなかったのですが、これはスーパースターのパーツを流用してソフトヨークシステムにすることに。

目標ドローレングスは26インチ、ピークウェイトはリムの厚さから判断して45ポンド+−くらい。

ケーブルガイドは手元にあったチェックイットのケーブルガイド付きのマウントを利用してハイセットに改造、ただしガイドロッドはオフセットベントの大きいスーパースター用のステンレス製のものにチェンジしてガイドバーを極力ハンドルセンターに近づける。

アローはシミュレータで確認したところXX75 1913(トゥルーフライト5インチ付き)を24−25インチにカットすれば使えるはず。

レストはやはり手持ちのHOYT純正のオーバードローレスト、レストアームは手持ちのARE6.5レストピン。

というわけで新年早々「ジャンク・スペシャル」の組み込みに挑戦したのですが、結果は下記の通りとなりました。

 

ミスティック/ファーストフライト(ジャンクバージョン)

ボウレングス: 40インチ

ドローレングス :26インチ

ピークウェイト:42ポンド(MAX45ポンド)・・・チューニングの幅をとるため

レットオフ:66%

ホイール:アキュホイール No.2

ケーブル:36インチFFソフトヨーク付き

ストリング:54インチFF

ブレースハイト:7.7/8インチ・・・・パワーストロークを稼ぐためやや低めに

ピープホール:トゥルーピープ・マイクロ

サイト:チェックイットIB5+自作アクリルホールサイト(以前の記事参照)

ケーブルガイド:チェックイットケーブルガイドマウント+HOYTダブルベントバー

レスト:HOYTマイクロアジャストオーバードロー+ARE6.5レストピン

 

アロー

アロー:XX75 1913(KYUDOシャフト・オリーブ) 25インチ

ヴェイン:トゥルーフライト5インチパラボリックターキー

ポイント:RPSインサート+125grブリットポイント

ノック:ACEピン+ピンノックL

FOC:13.7%

重量:376gr(8.95gr/Lbs)

アロースピード:約216Km/h

伝達効率:80.9%

スタビライザー

HOYTノーススター9インチスタビライザー

Bomar 6Fハンティングスタビライザー

自作ACE10.5インチショートスタビライザー(ダンプ剤充填)

のいずれか+バイブラチェックオフセットカウンターバランス

を使用予定

 

といったスペックになったのですが、どうもシュート感覚が固い。

いままで、アルミライザー+スプリットリムになじんでいたためか?

どちらにしても少し射込んで慣らし運転する必要がありそうです。

 

2000.1.1     

  

ハンドルの素材について


ハンドルライザーの素材はウッドからマグネシュウム合金、さらにアルミ合金へと変化してきました。

ウッドはライザーの素材としては理想的なのですが、良質なものが入手困難となってきたため、金属製のテークダウンに変換せざるをえなかったという事情があります。
テークダウンそのものの誕生は、ウッド材料の入手難が発端といっても過言ではありません。

さて、こうして生まれてきた金属ハンドルライザーなのですが、実際に使用してみると、重量が凝縮されるためウッドよりも安定性にすぐれているのが次第にわかってきたようです。 また、ヴェインのクリアランスも大きくとれるというメリットもありました。

そして、軽量で内部損失が大きいマグネシュウム合金製のハンドルライザーが一世を風靡したのですが、このマグネシュウム合金のライザーもカーボンアローの出現、コンパウンドボウの発達、そしてコンパウンドボウにおけるシュートスルーレストの登場などによりクリアランスを大きくとれるアルミ合金製ライザーへと進化してきたのです。

とくに、コンパウンドボウにおけるシュートスルーレストの登場はハンドルライザーの形状の変化に大きな影響を与えました。

それ以前のコンパウンドボウでは、アローアラインメントをセンターショットラインよりハンドル側に近づけることで強引にパラドックスを発生させ、ヴェインのクリアランスを確保するものでした。

この方法では当然のことながらエネルギー効率は減少します。

シュートスルーレストではよりセンターショットラインに近いところにアローアラインメントをセットするため、アローは直線的に発射され効率も高くなり、貫通力も増加します。
しかし、ヴェインのクリアランスを確保する必要があるため、結果としてライザーを大きくえぐった現在のようなスタイルが登場したのです。

また、リカーブボウにおいては、カーボンアローの登場が大きな要素となりました。
カーボンアローは、アルミアローと比較して質量がかなり小さくなります。
そのため、リリース時のたわみはアルミアローと同じなのですが、質量が軽くスピードも速いため、たわんだ形のままで、ハンドルライザーを通過しようとします。
その結果、ヴェインがライザーにヒットする確率が高くなってきました。
よくあるのは、ヴェインがクリッカーを押し出してしまう現象です。
これを防止するためには、ハンドルライザーのえぐりを大きくする方法が有効なのはいうまでもありません。

このように、コンパウンドボウ、リカーブボウ双方ともライザーのえぐりを大きくしてクリアランスを稼ぐ必要にせまられてきたのです。
ところが、マグネシュウムでは材料が柔らかすぎるため大きなえぐり加工は不可能になってきました。 (この点では、ウッド素材も同様ですが・・・・・)

 

clearance.jpg (35242 bytes)
 

そこで、より硬質な素材・アルミ合金が登場したのです。
一方、コンピュータの発展とともに工作機械のコンピュータ制御の技術も向上してきたため、現在のようなコンピュータ削り出しのアルミ合金ハンドルライザーが誕生することになったのです。

このことは、金型とある程度の製造ロットを必要とするマグネシュウムライザーに比較して、設計変更の容易性および在庫ロットの面も含めるとメーカーにとっては好都合だったのです。

こうして登場したアルミ合金ライザーなのですが、マグネシュウム合金やウッド素材に比べ、内部損失が低いため振動による影響がもろにハンドルライザーにかかってくることになりました。

リカーブボウにおいては上下リムのバランス不良が、コンパウンドボウではホイールのシンクロ調整のまずさが振動を生み出す大きな原因なのですが、メーカーが想定していた以上のストレスをハンドルライザーに与えクラックを引き起こす要因となっているようです。

はっきりいえば、チューニングがしっかりできていないセットではライザーの破損は避けられないといっても過言ではないのです。

ところで、マグネシュウムライザーとアルミ合金ライザーのどちらが良いのかという 質問を良く受けます。

私なりの考え方ですが、コンパウンドボウであればクリアランス、ライザーの強度、質量などの点でアルミ合金ライザーをお勧めします。

リカーブボウで、アルミアローでシュートするなら体にやさしいマグネシュウムライザーを、カーボンアローを使うならアルミ合金ライザーを選択します。

マグネシュウムライザーでカーボンアローをシュートしたいのなら、クリアランスをしっかりととれるチューニングとシュート技術をマスターすることが必要になります。

ところで、せっかくクリアランスの大きなアルミ合金ライザーを購入したのに、HOYTのスーパーレストを台を複数枚張り合わせて使用しているアーチャーを見かけます。
これでは、せっかくのクリアランスが死んでしまいます。
なんのためにライザーをえぐったライザーを購入したのかわかりません。

これはスーパーレストのアームが短いすぎるのが原因なのですが、えぐりの大きいアルミ合金ライザーを使用するのなら、もっとアームの長いレストを組み合わせるべきです。


HOYTやPSEのようにダブルホールのものなら、ゴールデンキーのフリップマスターやチェックイットのTRシリーズのようなレストの使用を、ワンホールのものならAREレストのようなアームの長いレストをお勧めします。
   

1999/9/10 

 

チューニングと慣らし運転について


チューニングをするということは、アローを押すストリングの軌跡を変化させることです。 
例えば、プランジャーのスプリングテンションを変化させると、当然、アローとストリングの軌跡も変化します。 
しかし、同時にリムの動作も変化することを意味します。 
歩き方が変われば、使う筋肉が変わってくるように、リムの動作も変化してきます。 

チューニングをした後しばらくは、リムはいままでなじんできたのと同じような動作をしようとします。 
しかし、徐々に新しい環境になじんできて、リムの動き方は変ってしまいます。 

経験からいって、なじむまでに最低でも3日はかかるようです。 
これは、シュートする日数です。 
放置して寝かしておく時間ではありません。 

ところで、3日経過するとチューニングをした時点と比較してグルーピングの位置やまとまりかたも変わってきているはずです。 
リムの動作がなじんだことによって、チューニングの結果も当初とは異なってくるのです。 

もし、その結果が気に入らないグルーピングであれば、また再チューニングするしかありません。 
そして、また3日ほどその状態でシュートして様子を見なければならないのです。 

チューニングとはこの繰り返しです。 
時間はかかりますが、ステップを誤らなければ確実にグルーピングは改善されているはずです。 
短気は禁物です。 

リカーブボウを例にしましたが、コンパウンドボウでも状況は同じです。 
例えば、ケーブルガイドバーのオフセット角度を変化させると、リムがその環境になじむまである程度の日数がかかります。 
ティラーアジャストした場合も同様です。 

ところで、練習のたびにチューニングしている人はかなり多いようです。 
日本だけではなくUSAにおいても同様だとHOYT社の社長ランディ・ウォークが苦笑いしていました。 
特に、コンパウンドボウアーチャーにはその傾向が強いようです。 

チューニングをしたら、最低でも3日はその状態のままでシュートし、その後に結果を評価する必要があります。 
毎回セッティングを変化させていては、セットが環境になじむ時間がとれません。 

3日とは、経験値から割り出したラフなものです。 
調整した個所と程度によって当然のように時間は異なってきます。 
もっと時間がかかるケースも存在します。 

AVALON系のライザーのように、リムの左右アラインメントを変化できるセットの場合、アラインメントを変更すると、リムの動作が安定するまでにかなりの時間がかかります。 

ある学生の場合ですが、リムポケットがなにかの理由で緩んでしまったため、いわゆるセンターショットが狂ってしまい、ストリングがリムのセンターを通らなくなった例があります。 

実用上、必ずセンターを通っている必要はないのですが(わざとセンターショットをずらす設計もあるくらいです)、彼の場合はシュート時にストリングがリムのもとの位置に収まらなくなっていました。 
このままでは、リムが捩じれてしまうので調整する必要があったのです。 

すでにリムに多少の捩じれぐせがついていたので、ドローイングマシーンでフルドロー状態のまま数日間放置しておき、くせをある程度戻してからライザーとのマッチングを修正しました。 

アラインメントに多少の含みをおいて修正して、しばらく様子をみてもらうことにしたのですが、約1週間後にセンターショットがストレートラインを通るようになり、位置も安定してきたそうです。 

矢数の多い学生でこれですから、練習のインターバルが長い社会人の場合には、もっと時間がかかることが予想されます。 

チューニングを施した後には、数日間の馴らし/なじみ期間が必要でありチューニングの評価はその後に行うべきです。 
チューニングに、あせりと短気は禁物です。 
 

1999.8/21  

 

カーターリリーサーのトラブル

カーターのリリーサーは、非常に良く出来ているのですが、その機構を理解しておかないと事故を引き起こす可能性があります。 

下記はBK3Dの解剖写真です。 
1〜3はスプリングがセットされている位置を示しています。 
4は、発射用のつめでトリガーを押すとつめがはずれ、リンクを経由してフックが開放されるようになっています。 

カーターで起こるトラブルでもっとも多いのは、地面に落としたりした際にスプリングがずれてしまい、トンネルの壁に接触してしまうため動作がぎくしゃくしてしまうというものです。 
この場合、分解してスプリングの位置を壁に当たらないように修正してやる必要があります。 
この症状が出た時に、リリーサー内部にオイルを流し込んだり、CRC等をスプレイする人が多いようですが、逆効果です。 
内部のデリケートな機構が、オイル分が付着することによって動作しにくくなってしまいます。 

内部は、エアコンプレッサーなどで定期的にクリーニングしてくれと言っています。 

さて、次に多いのがロックがきかなくなるトラブルです。 
これには、2つの原因が考えられます。 
ひとつは、1のスプリングが劣化したり破損してしまった場合。 
もうひとつは、4の部分のつめが摩耗して起こる場合です。 
これらは単独でおこる場合もあるのですが、ほとんどの場合同時進行で発生します。 

スプリングの劣化だけなら交換すれば解決しますが、つめの摩耗はどうしようもありません。 
少々なら、1のスプリングを強くすればしばらくの間は機能しているのですが、スプリングがへたって来ると危険です。 
いつ暴発するかわかりません。 

ロックがきかなくなったりあやしくなったら、使用を中止するほうが賢明です。 
中途半端な状態で使用したため、暴発し怪我をしてしまったという実例もあるのです。 

おかしいと思ったら自分で分解したりしないで、購入店経由でメーカーに修理依頼したほうが無難です。 
メーカーは、ユーザーが分解したり改造したものに関しては保証と修理を拒絶しています。 
保証期間は1年間で製造上の欠陥があった場合に限られます。 
 

1999.8/17  

 

コンパウンドボウのセンターショットとチューニング

HOYT社のリファレンス・マニュアルによると、コンパウンドボウのセンターショットラインはリムの中心から3/16インチ(4.8ミリ)左側(右利きの場合)の位置になります。 
これは、ホイールのオフセット位置の平均だそうです。 

しかし、リアルセンターショット(ストリングがノックを真っ直ぐに押し出す位置)は実際にはここより少しずれた位置になるはずです 
使用されるホイールの形状、ケーブルガイドのオフセット量、ストリング/ケーブルのコンビネーションなどによって異なってくるからです。 

HOYTもこれは、あくまで暫定位置であり、チューニングをスタートするための出発点であると考えて欲しいとコメントしています。 

このずれの量は、ドローイングによるハンドルライザーの歪み、ホイールのチルト、スパイン、リリースのタイプやアーチャーのくせ等々によって異なります。 

さて、この見かけ上のセンターショットラインにこだわりすぎるあまり、コントロールしきれない弓具を欠陥品だときめつけているアーチャーは非常に多いようです。 

フルドローの時にひずまないハンドルは皆無ですし、チルトしないホイールもありません。 
仮に完全なセットがそろったにしても、ストリングを完全に真っ直ぐリリースできるアーチャーなぞ世界中さがしても皆無だと思うのですが・・・・・ 

私自身は自分の技術の中でストリングがノックを真っ直ぐに押してやる位置を発見してゆくのがチューニングであると考えています。 
この位置はある程度の幅(スイートスポット)が必要です。 
この幅がないと仕上がったセットはかなり神経質なものになってしまいます。 

私などは、安定性や持続性のあるアーチャーではないのでスイートスポットの幅を極力大きくしようとしています。 
ただ、この幅があまり大きすぎるとタイトなグルーピングは期待できないかも知れません。 

例えば、スパインの選択ですが、経験的にはやや柔らか目のスパインを選択したほうがタイトなグルーピングは実現しやすいのです。 
しかし、許容範囲がせまいくなるためミスによるダメージの割合は大きくなります。 
やや固めのスパインを選択した時のほうがミスの出方は小さいのですが、あまりタイトなグルーピングは期待出来ないようです。 
この辺は、各々の技量にあわせた選択が必要です。 

さて、リアルセンターショットに話題を戻すと、経験値ではリアルセンターショットは少しハンドル側に寄るようです。 
これは、ドローイングマシーンでチェックすると確認できるのです、ハンドルの歪みと関係があるようです。 

 

1999.8/14    

 

スプリットリムについて(1999.8/2)

スプリットリムについて誤解が多いようです。 

勘違いの最も大きなものは、なぜこの形状を採用したかという理由です。 
設計の主眼はリムの質量を減らしてリムの返りスピードを上昇させるためではありません。 (副次的にはあるでしょうが) 

コンパウンドボウは、そのシステム上、ドローするにつれてホイールがチルトして行きます。 

その結果として、リムも当然のように捩じられます。 
特に、現在のようにショートボウレングスのセットではこの傾向は顕著です。 

一枚リムを使った場合、リムが捩じれに対し非常に強いため捩じれはハンドルライザーにまで及んでしまいます。 
その結果、ハンドルライザーは大きく捩られシュート時に反動で戻ろうとします。 
このような運動を絶えず繰り返していると、金属疲労が加速されてゆきます。 

一方、スプリットリムでは、左右のリムが差動して捩じれるため捩じれ現象はハンドルライザーまで及びにくくなります。(皆無ではありません) 
そのため、ライザーの金属疲労の度合いが低くなります。 

アルミライザーはメーカーが想定した以上に寿命が短いようです。 
折損したりクラックが入るという意味ではなく、金属疲労により焼きなまし状態になってしまうのです。 
この状態になるとシュートを繰り返しライザーに熱が蓄積されてくると、ライザーが変形してきます。 
その結果、アローを真っ直ぐに押し出せなくなってしまいます。 

この現象は、シュートをしばらく停止して熱が放散してくると元の形にもどるため気が付かないことが多いのです。 

シュートを続けていると左右ぶれが大きくなる傾向がある場合、ライザーが金属疲労を起こしているかも知れません。 
シュート前にセンターラインを確認しておき、横ぶれが起こり始めた時に再度ラインを確認してみてください。 
もし、センターラインがずれていたら、ハンドルライザーの金属疲労が進行したと考えたほうが良いでしょう。 

程度にもよりますが、こうなったら寿命と考えたほうが良いでしょう。 
私自身のスーパースターライザー/ファーストフライトはこの現象が進行したため現役からリタイヤさせました。 
数射は平気なのですが、矢数を重ねると左方向にアローが外れ始めます。 
一日に数射しかしないハンティングやシュート間隔の長いフィールド・3D競技ならこれでも実用になるのですが、短時間に矢数をこなさなければならないターゲット競技では致命的です。 

さて、このハンドルライザーの金属疲労はリムの捩じれ以外にケーブルガイドによっても引き起こされています。 
ケーブルはフルドロー時に、最もテンションが強くなっています。 
この時、ケーブルガイドバーにかかる負荷も最大となるため、バーがハンドルを捻ってしまうのです。 
メーカーがこれに気が付かないわけがなく、色々な方法で対応しようとしています。 
例えば、ケーブルガイドバーのカーボン化などもその一つです。 
また、アルファテック、パワーテック、アキュテックなどのフレーム構造のライザー群も金属疲労対策のひとつの方法です。 

これらの対策の一つとして採用されたのがスプリットリム方式なのです。 
リムを捻れやすくしてやれば、ライザーは相対的に捻れにくくなります。 
そのため、ハンドルライザーにかかる負荷は軽減されます。 

また、この方式ではリムは捻れやすいのですが、一枚板のものよりハイスピードで復元しますし、質量が小さいためアロースピードは当然上昇します。 
その代わり、シュート技術が未熟なアーチャーの場合、捩じれやすさが振動の増幅につながるのは当然です。 
ピープサイトが、ケーブルを削っているような場合、リリース動作に問題があると考えたほうが良いかと思います。 
多くの場合、ドローセットが長すぎるようです。 

ところで、最近捩じれをきらってスプリットリムをバンドやベルトで締め付けている方を見かけます。 
差動しやすいように設計されているものをわざわざ固定するのもどんなものかと思います。 
ライザーの寿命を短くするだけではなく、締め付け方によってはリムを破損しかねません。 

差動するリムが好みでないのなら、一枚リムのセットを選択するべきだと思います。 

ところで、下の項目にリムセーバーの画像を添付しておきました。 
これは、スプリットリム用のものなのですが、リムの最も差動しやすい個所で左右のリムを締め付ける構造になっています。 
この部分でトラブルが起こらなければよいのですが・・・・・ 

   

 

リムセーバーについて(1999.7/24)

USAで最近、リムセーバーが流行しつつあるようです。 
つい最近現物を見る機会があったのですが、要するにドゥインカーのラバー部分に似た「きのこを押しつぶしたような形状」のものを両面テープで直接リムに貼付し振動を消し込もうとするものです。 
たしかに、軽量アローをシュートした時の残留エネルギーの一部はこれで解消されるかもしれませんが前述した破損トラブルの根本的な解決策にはならないと思います。 

おそらく、スコープの軸の寿命位は多少長くなるかも知れませんが、所詮オーデコロンの類にしかならないと思います。 
「悪臭はもとから断たなければだめ」なのです。 
まず、一番大切なのは上下ホイールのシンクロやリムの戻りを確実に同期させ振動を起こさないことなのです。 

また、リムセーバーのセットは前述したヨーク部の過剰調整の解決には成り得ません。 
なぜなら、この調整ミスによってリムが破損するのは「リムの異常なねじれ」のためで「リムの振動」によるものではないからです。 

このように書くとリムセーバーが全く役にたたないような印象をあたえてしまうのですが、そうは思っていません。 
シュート時に発生する衝撃は想像以上に大きなものです。 
この衝撃はライザーやパーツ類にダメージを蓄積するだけではなく、アーチャー自身にもボディブローのようにダメージを与えるのです。 
特に、FITAのオールラウンドのように長丁場の試合ではこれは大変に大きな要素なのです。 
リムセーバーはこの衝撃を緩和してくれるのは確かです。 

くどいようですが、繰り返します。 
リムセーバーは振動によって引き起こされるダメージを緩和してくれますが、弓の性能を向上させてくれる特効薬ではありません。 

ベアボウの状態でほとんど振動を感じないレベルまで調整した後に装着してはじめて役に立つものなのです。 
 

 

セットの改造・チューニング

セットの改造を指向するアーチャーが多いようなので、諸問題をピックアップしてみました。 

☆ホイールのチェンジ

HOYT(アキュホイールモデル)を中心におおまかなガイドラインを下に示します。 

旧エナジーホイールをアキュホイールに変更    5ポンドUP 
アキュホイールを新コマンドカムに変更       2ポンドダウン 
旧マスターカムをアキュホイールに変更      15ポンドダウン 
アキュホイールをVECTOR5ホイールに変更   約15ポンドUP(ホイールの番手による) 

以上は経験値です。 
もちろん、同一のリムを使った場合ですが、ストリング/ケーブルのコンビネーションやブレースハイトはそのホイールの特性に合わせて変更しています。 

さて、なぜこのような結果になるかというと、要するに、ホイールのギア比(ストリング側:ケーブル側)の問題なのです。 
つまり、ストリングが1インチドローされた時にケーブルがどれだけの量引かれるかでポンド数が変化します。 
ケーブルが引かれるとリムがたわむのでポンド数は上昇します。 
上のUPになっているのホイールの場合は1インチドローした時にケーブルを引っ張る量が大きいのです。 

(蛇足ですが、多くの方が勘違いされているようなのでここでコメントしておくと、上のホイールをドライブしているのは下リムで、下のホイールをドライブしているのは上リムです。) 

PSEの場合、ホイールの番手が小さくなるほどギア比が小さくなります。(つまりトップギアに近くなります) 
この場合、ドローフィーリングはかなり硬質になります。 
滑らかなドローフィーリングが欲しいのであれば番手の大きいホイールを使う必要がありますが、ドローレングスも長くなってしまいます。 

☆ストリングとケーブルの諸問題

ある地域で、「バスケーブルは運動量が小さいから細くても良い」という説をもとにストランド数を減らしたものを使っているようですが、それは逆のような気がします。 

コンパウンドボウはドローイングするにつれてウェイトが変化してゆくのですが、同時にストリングとケーブルにかかってくるテンションも変化します。 
しかし、ストリングとケーブルではその変化パターンは異なります。 

ストリングは、ピーク時に最もテンションが大きくなり、フルドロー時(バレー)にはテンションは緩くなります。 
一方、ケーブルはドローイングするにつれてどんどんテンションが高くなりフルドロー時に最高になります。 
つまり、フルドローポジションは負荷のかなりの割合(おそらくレットオフの率だけ)をケーブルが支えているのです。 
その結果、ストリングのテンションが減少しレットオフが発生するのです。 

以上を考えると、ケーブルはかなりの強度を要求されることになります。 
ストランド数が少ないということは、強度的に劣ることになるのですが・・・・・ 

USAのプロの中でも、ファイバーケーブルの伸びをきらっていまだにスチールワイヤーにこだわる人が結構多いようです。 
私が以前に実験した結果では、ケーブルのストランド数(ファーストフライトの22本でテスト)が多いもののほうが安定していました。 
しかし現在では、ホイールの溝の大きさやメーカー保証、微調整のしやすさの問題もあり、メーカー純正品(20本)を使用しています。 

ストランド数を減らしたケーブルは、ピーキーになり振動発生やトラブルの原因になっているような気がします。 

あくまで私見ですが、ケーブルの性格を考えるとケブラー/ファーストフライト混紡のもののほうが伸びが小さいので素材としては向いていると思います。 
しかし、耐久性が心配です。 
ケブラー系素材は、伸びにくいのですが切断が突発的に発生します。 
特に、最近のモデルのようにリムテンションを大きくしているセットでは、ケーブルの切断は致命的です。 
(以前、HOYTがスーパースターモデルの初期ロットにこの系統のケーブルを採用したことがあるのですが、比較的少ないシュート数で切断し、リムやハンドルが破損してしまったことがありました。 
その後、現在のファーストフライトに変更し供給を続けています。) 

☆ヨークの問題

かなり以前からこのサイトで問題を提起しているのですが、ヨーク部の調整の勘違いでリムやハンドルを破損してしまった実例が多く報告されています。 

ヨーク部の過剰調整をしてから3週間程度でリム(1枚リム)が上下とも縦方向のクラックが発生した例があります。クラックがリムの根元のテーパー部まで達していました。 
おそらくもう少しシュートしていれば、リムが剥離したか折損していたと思います。 
ケガをしなかっただけ運が良かったケースといえます。 

ヨーク部を過剰調整した結果、スプリットタイプカーボナイトリムの右上が剥離した例(短い期間に同じ地区で3件たてつづけに発生したようです)。 

ヨーク部を過剰調整しかつリムボルトを緩めていたために、スプリットリムの片側が抜けかかってしまった例。 

横振動が増加してしまった結果、スコープのレベル部分が横方向に飛び出してしまった例。 

おそらく、これが原因でハンドルが破損したり、リムにたてクラックが入ってしまった例などが情報として手元にきています。 
(同一人物が異なるメーカーのモデルで同様のトラブルを立て続けに発生させているところから、メーカーの設計ミスや商品の欠陥ではないと思います) 

くどいようですが、ヨークによってホイールのチルト(傾き)を補正するのであれば、フルドローイング状態で上下ホイールが垂直になるように慎重に調整するべきです。 
(このあたりの問題は、HOYTの社長のランディ・ウォークに技術的な確認をしてあります) 

下図はアーチャー側から見たホイールのチルトのプロセスです。 
簡単に描いてありますが、実際にはホイールの偏心の関係で現象はもっと露骨に表れるはずです。 
 
 

 

ファクトリーセットの場合、リムはピークウェイト時を中心に左右にほぼ均等に近い状態でねじられるのですが、ヨークの過剰セットの場合、リムは右側部分だけがかなりねじられます。 
これが、リムのたてクラックや、剥離の原因となるうえ、戻り方の関係で右から左へボクシングのフックのような衝撃を発生させます。 

尚、アップル社(コンピュータではなく、アーチェリーのメーカー)が、レーザービームを使った補正用ジグ(Laser Axel Alignment Tool)をAMOショーで発表していました。 

さて、以上のチルトの原因はストリングとケーブルのセット位置のギャップとケーブルガイドの存在にあるのですが、これをきらってケーブルガイドレスのスプリットケーブルシステムに変更するアーチャーも多いようです。 

このシステムの注意事項は京都の大畑さんのホームページを参照してください。

このシステムは理論上は素晴らしいシステムなのですが欠点もあります。 
アーチャーのリリース技術が未熟だとケーブルが暴れて振動が増加してしまいます。 

また、筈こぼれした時のアローの動作も予測がつかない怖さもあります。 
ケーブルガイドの存在は欠点もあるのですが、同時にケーブルの暴れを押え込むダンプ効果も併せ持つのです。 
単純にどちらがいいというものではありません。 

暴れが消えない結果、スタビライザーの根元が折損してしまったケースもあります。 

(ケーブルの暴れの最も大きな原因は、ドローレングスのあやまり、オーバードローセッティングであると考えています。)

Caution!!

上記のような改造や調整を行った場合、当然メーカー保証・ディーラー保証の対象から外されてしまいますのでご注意ください。

やる以上は相応の覚悟が必要です。

尚、この記事は改造を積極的に推奨するものではありません。

改造を行った結果発生したトラブルは自己の責任で解決してください。

念のため・・・・

1999.7/13  

 

ワンカムに関する考察
以前テストした感触や数人のアーチャーからの話を聞いた結果からワンカムは3D/ハンティング用であるという印象が強くなりました。 
分類から言えば、スピード優先の極致ということです。 
つまり、20−30ヤードの距離を直線的にアローを飛ばせれば良く、それ以上の距離は考えていない設計なのです。 
あるベテランアーチャーは、60mまではかなり的中するそうですが、それ以上の距離ではばらつきが目立つそうです。 
最初はカーボンを使う予定だったそうなのですが、いろいろと試した結果、XX75の2114+5インチターキーフェザー+125グレインフィールドポイントの組み合わせが最も結果が良く、90mでのグルーピングも最高だったそうです。 
一部の人々は、ワンカムはオールラウンド向きであるといっているようですが、動作と設計思想から判断してターゲットモデルであるとは言えないと思います。 
(90メートルを飛ばないという意味ではありません、当てにくいセットだといっているのです) 

ところで、日本国内でのワンカムの売り文句は、「調整の必要がないコンパウンドボウ」なのですが、「調整の必要がない」のではなく「調整できない」と考えたほうがよろしいかと思います。 

ワンカムでも、絶対に調整しなくてはならない個所が一個所だけあります。 
それは、ストリング/ケーブルとケーブルのテンションのバランスです。 
特に、ドローレングスをより短く調整しようとして、ストリング/ケーブルを巻き上げたような場合、ケーブルのテンションがルーズになってきます。 
そうなると、振動が発生し始めるのです。 
ある程度は、ケーブルを巻き上げると解決するのですが、ケーブルを巻き上げた結果せっかく短く調整したドローレングスはまた長くなってしまいます。 

このストリング/ケーブルとケーブルのテンションをうまくコントロールできないとワンカムは使い物になりません。 
(ストリング類を自作する場合には要注意です) 
できれば、ファクトリーセットのままで使用するのが無難だと思います。 
セットをアーチャーにあわせるのではなく、アーチャーがセットに合わせると考えたほうが良いと思います。 

    

       1999/7/13    

 

インドア用アローの作成
こんな時期にとも思うのですが、インドア/ショートハーフ用にアルミアローを作成することにしました。 
今使用しているバイパーとビーマン・レーシング900の組み合わせでは、矢飛びが速すぎて良く見えないのと、ややヒステリックな弦音なのでそれを解消する意味で作成に踏み切ったものです。 
アローはXX75の1913(弓道用の1メートルシャフト)のカラーはオリーブ。 
ヴェインはやっと入手できたトゥルーフライトの5インチターキー(虎斑のパープル)。 
ポイントは1913用のRPSインサート(取り寄せ中)+手持ちの125グレインフィールドポイント 
ノックは、X7の1914用のユニブッシュを介して、ACE用ピンノックのL 
といったところです。 
  アローレングスはシミュレータで計算した結果26.1/2インチ。 
  質量は 382グレイン(10.6グレイン/ポンド) 
  FOCは 16.8% 
  エネルギー効率は 80.4%といったところです。 

1999.7/10    

 

流行病 5ポンド病


コンパウンドボウにもなれ、ある程度スコアが出てきたアーチャーが必ずかかる病気が「5ポンド病」です。 

欲も出てきて、もっとスコアアップをと考えてなのでしょうが、必ず「もう5ポンドピークを上げたい」と相談してきます。 

そして、止めるようにアドバイスしたにもかかわらず、皆さんなぜか5ポンドアップしてしまうのです。

そして、多くの人が、「アローがきれいに飛ばない」、「スコアがでない」、「弓がおかしくなった」といってくるのです。 

ピークが5ポンド高くなりましたから、スパインも当然1ランク固いアローを選択して対応するようアドバイスしているのですが、それにもかかわらず、「調子が悪くなった」とクレームに近い発言をし始めます。

(もちろん、スパインを変更しないともっとひどいことになってしまうのですが、実施していない方も多いようです。) 

  

リカーブで5ポンドも一度にアップしたら地獄の苦しみだと思うのですが、なぜコンパウンドボウだと5ポンドなのでしょうか? 

確かに、コンパウンドボウだと5ポンドアップでもドローイングは可能です。 

しかし、発生する衝撃はかなりのものです。 

多くの場合、この過剰にアップした衝撃に負けてコントロールを失い、スコアがダウンしているようです。

でも、本人はそれが原因と考えずに、道具のせいにし始めるのです。 

もちろん、当人にとっては大変なできごとなのでパニックに陥った結果、リリーサーを変えてみたり、スタビライザーをチェンジしたりという道具の変更に走り、次第に泥沼に沈んで行き、症状をますます重くしてゆくのです。

悪いことに、そのアーチャーの周りの人々が、あれやこれやとアドバイスをしたり、調整してくれたりして症状をますます悪化させているのが現実のようです。 

これが、「5ポンド病」の概要です。 

  

まあ、一種の「はしか」のようなものと考えあきらめてはいるのですが、致命傷になってしまうアーチャーも少なくないのです。 

5ポンドアップした衝撃は、ちょうどボクシングのボディブローのように、体に蓄積され続けます。 

そして、ある日突然、関節や筋が痛くて弓を引けなくなってしまうという症状の方も確実に増加しているのです。

1999.6/22 

 
 

コンパウンドボウの破損トラブルの原因について(1999.6/15)

  ホイールのシンクロがとれていない
  

フルドロー時のホイールのシンクロチェックは必須です。 

ある程度、シンクロチェックができたらベアボウの状態でシュートしてみてください。 

もし、まだ振動が起こったり弦音が大きいようなら、シンクロの再調整が必要かもしれません。

 

  スタビライザーの振動が逆流している
  

スタビライザーを装着することによって、振動は増幅すると考えたほうが良いと思います。 

ちゃんとチューニングしてあるセットであれば、なにもつけない、所謂ベアボウのほうが振動は発生しません。 

単に、振動防止を考えるなら、スタビライザーは逆効果です。 

極言をすれば、スタビライザーは振動増幅器として機能しているともいえます。 

しかし、スタビライザーの装着がスコアアップに貢献しているのは事実です。 

振動防止効果はスタビライザーの本来の目的ではないと考えたほうが妥当ではないでしょうか。 

スタビライザーの本当の効果は、エイミングのしやすさと不良運動の防止です。 

これはスコアを狙うためには有効な手段なのです。 

スタビライザーの装着により発生したデメリット(振動の増幅)は他の手段で消す必要があります。 

いくつかの方法を提示しておきます。

 

カウンターバランスの設置
 

PSEの場合には、ケーブルガイドをアッパー型(サイトマウント装着型)に変更し、ケーブルガイド用のホール(5/16インチ)にカウンターバランスをセットしたものが良い結果を生んでいるようです。 

HOYTの場合には、カウンターバランスに利用できるようなブッシュがないため、オフセットモジュールを介してオフセットカウンターバランスを装着することをお奨めします。 

(私自身はこの方式を採用しています) 

最近、海外でもこの方式が増加しています。特に、ボウレングスの短いセットでは有効な方法です。 

ただし、この方法でも振動吸収方法(特に、カウンター部分)を吟味しないと、特定の周波数の発生によってライザーが破損したりサイトが折損するなどのトラブルが発生することもあるようです。 

1999年のアリゾナカップで優勝したDave Cousinsはカウンター部に5インチカーボンハイドロリック(X−RING製)を使用しています。 

オフセットモジュールのテストをお願いしたアーチャーはEASTON製のMロッドにカーテルのフレキシブルダンパーウェイトを使用してこれも良い結果を生んでいるようです。 

どちらにしても、カウンター部の振動吸収がポイントのようです。

 

  ダンプタイプのスタビライザーの使用

また、センターロッドのみで行くなら、ダンプ剤を内蔵した重量級のスタビライザーの使用(例えばBomar)も効果的ですが、ドゥインカーのように軽量でリデュースマウントと組み合わされたものも有効です。重いセットが嫌いな方にはお奨めです。 

いずれ手持ちのベンピアソンのマーキュリーカプラー(5オンス水銀入りウェイト)も試してみるつもりです。

 

  アロー重量の不足
  

FITAラウンドをシュートするなら、最低でもAMO基準の「6グレイン/ポンド超」はクリアしておく必要があります。 

ボウレングスが短いセットの場合、「7グレイン/ポンド」でも軽すぎて空射ちに近い状態になるようです。 

例えば私が使用しているバイパーのようなセットの場合がそうです。 

ポンドあたり7.5グレインのシャフト重量で、エネルギー伝達効率が78%を超えているにもかかわらず弦音はかなりヒステリックです。 

チューニングはきっちりとっているつもりですし、他の誰からも騒音や振動についてコメントされたことは皆無です。 

にもかかわらず、試しにシュートした超重量級シャフト(1820、大昔の試作品で市販されていなかった?)では驚くほど静かなシュート音でした。

 

  オープンハンドグリップスタイルによる弓の放り投げ
  

これは致命的です。サイトの折損、ライザーのクラックの原因のほとんどがこれのような気がします。 

リカーブボウでも同様なのですが、なぜかオープンハンドグリップを初心者に教えることが多いようです。 

大昔の、「ティラーアジャストのできないウッドの一本ボウ」の時代の教え方がなんの疑問もなく教えられています。 

現在の質量の大きいライザーを使用するためには、オープンハンドグリップはむいていません。 

この方法では、アーチャーはどうしてもオーバードローにならざるを得ません。 

EASTONやバイターで発売しているスローモーションビデオを見ていただくとわかるのですが、オープンハンドグリップで弓を放り投げるようなトップアーチャーは皆無です。 

グリップはしっかり手の中に握っている必要があると思います。 

しっかり握っていれば、チューニングのずれはすぐに認識できるはずです。 

もし、リフレックスライザーを使用しているのなら、オープンハンドグリップはすぐに止めるべきです。

 

ドローレングスが長すぎるためリリースが膨らみかつ質量のあるライザーが使用できない。
  

リカーブでも同様の現象がおきているのですが、ドローレングスが長すぎる結果として、リリースが膨らみストリングを横方向に荒らすことになります。 

この場合、リカーブボウではライザーのクラックやリムチップの破損が発生しやすくなります。 

コンパウンドボウでは、ストリングのサービング部の異常なゆるみやライザーのクラック発生などの原因になります。 

また、ドローセットが長すぎる場合には、質量のあるセットを使用できなくなります。 

ドローセットが長すぎると、腕の筋肉の上側のみでテンションをささえるようになる結果、質量が支えられなくなるのです。 

ある程度の質量を支えるためには、腕の下側の筋肉のテンションを強くすることが必要です。 

そのためには、ドローレングスを短くする必要があるのです。 

試しに、重目のダンベルを片手で支えてみてください。筋肉の下側を使わなければ、重量を保持しにくいはずです。

 

弓が重過ぎるとこぼす人はすべてといって良いほどオーバードローイングです。
  

現在のボウは、軽量なアローを高速で発射するために、ハンドルライザーの質量が増加してきました。 

軽すぎる質量の弓ではコントロールがむずかしいのと、内部損失が低いため発生した衝撃の逃げ場がありません。 

そのため、破損の確率は高くなるはずです。 

質量の軽い弓で軽量のアローを高速で発射すると相当の衝撃が発生します。 

発生した衝撃をねじ伏せるだけの腕力と体力がないと、弓をコントロールすることは不可能です。 

逆説的な言い方ですが、質量の軽いセットほど体力と腕力を必要とするのです。 

 

 ヨーク部の調整ミス
  

ブレースハイトポジションでのホイールの傾きにこだわって、ヨーク部にツイストをかけホイール軸を水平にしてしまう方が多いのですが、この調整をすると、ドローイング時にホイール軸は大きく右に(右利きの場合)傾いてしまいます。 

これに伴いリムも大きくねじられるため、スプリットリムでは片一方のリムに過剰に負荷がかかるため、一方のリムの抜けや剥離が発生します。スプリットではない所謂一枚板のリムでは、リムの端のカット部分のひび割れが発生します。 

もし、リムにこれらのトラブルが発生しない時には、ライザーが折損してしまいます。 

また、シュート時にはリムが大きくねじれて戻るため、ストリングとケーブルに横運動が発生する結果、サイトエクステンションやスコープの折損、水準器が横にとんでしまうなどの信じられないような現象が発生します。 

ヨーク部のツイストで軸の水平度調整をするのであれば、ピークドローからフルドローにかけてホイールが垂直に(軸が水平)になるように調整すべきです。 

ブレースハイトポジションでの水平アラインメントの調整はセットに致命傷を与えます。

 

  

アーチャーのシュート技術やチューニングの善し悪しは、サービングゆるみ現象で判断できます。

もし、ホイール部分のサービングがゆるんですきまが空いているようなら、ストリングがまっすぐにもどっていないことを示しています。

シュート技術でいえば膨らみリリース、チューニング技術で言えば前述のヨーク部の調整の誤りなどが大きな原因です。

また、ノッキングポイントあたりのセンターサービングが緩んだりずれたりするようなら、弓をまっすぐにドローイングしていないことを示しています。

ピークウェイトが高すぎて、弓を振り上げないとドローできないアーチャーに多いようです。

当然、このドローイング方法ではレストからアローがダウンする確率が高くなります。

ターゲットパニック防止の意味からも、セットアップ時サイトピンを的の中心につけそのままの位置を保持したままでドローすることをお奨めします。

言い換えれば、弓を振り上げないとドローできないようなピークウェイトの設定はするべきではありません

あなたの、サービングがこのような症状をしめしているとすれば色々な面を見直す必要があると思います。

 

 

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